高級ガソリンへ移行進む 外資も値下げで対抗 価格差縮小で消費2倍に

 先月18日に実施された補助金付き燃料・プレミウムの値上げとその後の補助金なし高級ガソリン・プルタマックスの値下げにより、消費者は燃焼効率の良いプルタマックスへ移行する動きが強まっている。外資系石油企業も高級ガソリンを値下げし、競争力を高めている。

 国営石油ガスのプルタミナは先月22日からプルタマックス92を1リットル1万200ルピアから9950ルピアに値下げ。補助金付き燃料プレミウムが8500ルピアと、価格差が1450ルピアまで縮まったことで、プルタマックスの販売が急増している。
 プルタミナのスハルトコ・営業副部長は3日、地元メディアに「今週の日曜日のプルタマックスの総消費量は価格変化前の約2倍になっている」と述べた。従来、プルタマックスの消費量は1日平均2200キロリットルだったが、5200キロリットルまで増えているという。
 中央ジャカルタの高級住宅街にあるガソリンスタンドの経営者は「価格変化前はプレミウムが1日平均で27キロリットル、プルタマックスが4キロリットルの販売だったが、昨日はプレミウムが24キロリットル、プルタマックスが10キロリットルに増えた」と、プルタマックスの需要が2倍超になったと語った。中央ジャカルタのオジェック運転手のアディヤさん(40)も価格差が少なくなっていることからプルタマックスに燃料を変えているという。
 ソフヤン・ジャリル経済調整相は3日、補助金付き燃料と補助金なし燃料の利用率を1対1にすると述べ、「燃費を考慮すれば、この割合にすることは容易だ」と述べた。
 地元紙の調査によると、150CCのオートバイで燃料を満タンにした状態で同じ条件のもと、プルタマックス92とプレミウムを使用した場合、30キロほど走行距離に差が生じたという。

▼シェルは同額に
 補助金付き燃料の値上げにより、外資石油企業が攻勢を強めている。
 オランダに本社を置くロイヤル・ダッチ・シェルのシェル・インドネシアはプルタマックスと同品質のガソリン「シェル・スーパー」を1リットル1万500ルピアから、プルタマックス92と同価格の9950ルピアまで値下げした。シェルのガソリンスタンド経営者は「明らかに数字が伸びている」と語った。
 一方、フランスの石油企業・トタル石油インドネシアは値下げせず、プルタマックスと同品質のガソリンを1リットル1万800ルピアで販売。南ジャカルタの同社従業員(30)は地元メディアに「価格差が以前より少ないことから、顧客が徐々にトタルへ流れ始めている」と語った。(佐藤拓也)

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