ザ・洋食屋 キチキチが進出 オーナー幸村氏がプロデュース 京都の人気店
「逆さオムライス」で有名な京都の「ザ・洋食屋 キチキチ」のシェフ・幸村元吉さん(59)がプロデュースする洋食レストランが来月末ジャカルタにオープンする。「食を通じて人を幸せにしたい」という幸村さんの願いは国境を越える。
幸村さんプロデュースの洋食レストランは「mottomoo(モットモー)」という名で、北ジャカルタのパンタイ・インダ・カプックにオープン予定だ。パスタやハンバーグ、オムライスなどをメニューにそろえる。
店名は「もっと食べたくなるように」「もっと出店できるように」と願いを込めてオーナーのジュリウス・リーさんが考案。店内は欧米風のインテリアに、日本風な壁紙や装飾を施す。客席は1、2階の75席の予定。
幸村さんは10日から20日まで来イし、工事中の店を視察。ジュリウスさん宅でシェフにレシピを教え、メニューも考えた。「インドネシア人の好みに合うようにソースに甘さを足したり、韓国料理が人気だと聞き、韓国風のアレンジも考えた。自分の料理がその国に合った形で楽しんでもらえるのがうれしい」と話す。
幸村さんは1978年に京都に洋食居酒屋「キチ・キチ」をオープンし、2003年「ザ・洋食屋 キチキチ」と店名を変更した。現在世界各国の観光客が幸村さんの料理を食べに来る。動画投稿「サイトユーチューブ」で料理の裏技を紹介したり、レシピを教えたりしているため、口コミやメディアを通じて人が集まるのだという。
同店で人気の「逆さオムライス」は炒めたチキンライスの上にフライパンで丸めた卵をのせ、中央から包丁で割ると、中の半熟卵がライスの上に広がる。さらに上から自家製デミグラスソースをかける。ふわふわの半熟卵とソースが絶品と好評で、動画の再生回数は62万回を超えている。
ジュリウスさんもユーチューブで幸村さんの「逆さオムライス」の動画を見た。今年9月に共同経営者の兄・スサントさんと京都へ行き、「この人なら世界一おいしい洋食を作れる。インドネシア人においしい洋食を食べてほしい」と出店をオファーした。幸村さんは「動画が呼んだ奇跡だ」と直感し、了承した。「キチキチの味がジャカルタから世界へ広がってほしい」と幸村さんは期待している。
来月末のプレオープンを経て、来年2月ごろのグランドオープンを目指す。ジュリウスさんはチェーン展開を計画しており、モール内への出店も検討しているという。(西村百合恵、写真も)