1000ルピア値上げへ 上げ幅は約33% 首都のバス
公共交通機関の運行管理業者が加入する陸上運輸組合(オルガンダ)ジャカルタ支部は19日、燃料値上げに伴う運賃の値上げについて、ジャカルタ特別州運輸局と協議し、乗り合いバスを一律千ルピア値上げすることを決めた。アホック知事の承認を経て、値上げされる見通し。
オルガンダは19日に全国一斉のストを実施し、値上げに抗議するとしていたが、多くの地域が最終的にストを回避した。ジャカルタ支部も運行停止を検討したが、18日夜に陸運局が協議の機会を設けることを約束したため、ストは見送った。
この日の協議では、ミクロレットなど乗り合いバスやコパジャ、メトロミニなどの各種バス運賃を千ルピアの値上げで妥結した。通常のコパジャ(エアコンなし)の場合、3千ルピアから4千ルピアに上がり、値上げ幅は33%になる。
オルガンダのタクシー部会によると、タクシー運賃も30〜35%値上げすることも求めているという。州営トランスジャカルタについては、18日にアホック氏が当面の値上げの可能性を否定している。
運賃の値上げ決定を受け、コパジャ運転手のジョン・シレガルさん(42)は「全国的に見ても、政治や社会問題に理解の高いジャカルタ市民は値上げの必要性を理解してくれると思う」と話し、千ルピアの値上げは妥当と評価した。ただ、乗客の減少は予想されるという。
中央ジャカルタのクボンシリ通りから東ジャカルタのカンプン・ムラユ間を通勤する会社員のスリ・アスツティさん(43)は「すでに運賃が上がっているバスもあると聞く。今日は普段よりも多めにお金を持って来た」と話した。これまで月5万〜6万ルピアだった交通費は、値上げ後には8万ルピア近くになるとため息をついた。
一方、中部ジャワ州ソロ市ではオルガンダ・ソロ支部と市当局との交渉がもつれ、路線バス「バティック・ソロ・トランス(BST)」などのバス業者が19日未明からストに突入。オルガンダによると、燃料費のほかスペア部品などの調達コストの上昇を勘案して15%の運賃値上げを要望したが、認められなかったという。(道下健弘)