ブラックベリー占有率3% IDC調査で下落判明 安価スマホで復活狙う
米調査会社IDCが今年第1四半期にまとめたインドネシア携帯電話市場の調査で、携帯端末ブラックベリーのシェアが3%にまで落ち込んでいることが分かった。かつては圧倒的なシェアを誇り、「ブラックベリー王国」とまで称されたカナダ通信機器大手の携帯端末は、ここ3年で他社のスマートフォンに払拭(ふっしょく)された。同社は低価格スマホで巻き返しを狙う。
IDCによると、ブラックベリー社製の販売台数は約30万5600台。市場シェア43%とピークに達した3年前の約250万台より87%も減少した。携帯電話の市場構成は、従来の通話主要型からデータ通信機能を備えたスマートフォンと多様化しているが、ブラックベリーは取り残された格好だ。
ブラックベリー・インドネシアのアンドリュー・コブハム元社長は地元フィファニュースに対し、急激に縮小した理由について、まず2011年から実施した先着千人への50%割引キャンペーンが過ちだったと指摘。本社の指示で展開したものだが、けが人が出る騒動に発展し、ブランドの失墜につながったとする。
またブラックベリー本社のハインズ前最高経営責任者(CEO)が、消費主体であるインドネシア市場の実情を無視し、企業向け事業に方針転換したことも誤りだと指摘している。
ブラックベリーは台湾の携帯電話機メーカー、フォックスコンと提携し、安価のスマホ販売に乗り出している。
同社の広報担当責任者は、発展途上国向けに2万円価格帯で売り出す「ブラックベリーZ3」で世界のシェア拡大を見込む。インドネシア向けには特別に「ジャカルタ・エディション」を発売し、挽回できると自信を示す。
かつて人気を誇ったアプリ「ブラックベリー・メッセンジャー(BBM)」を一般スマホ向けに公開したことで、利用者が50%増加。またスマホで簡単に決済できるアプリ「BBMマネー」も導入することで、利用者を取り戻せるとみている。(前山つよし)