北京で習近平主席と会談 AIIB参加を表明 ジョコウィ大統領、初外遊
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は8日午後、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催される北京に到着した。大統領就任後、初の外遊で、ミャンマーとオーストラリアも歴訪し、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議と主要20カ国・地域(G20)首脳会議にも出席する。一連の国際会議で、「海洋国家」構想や自国の行政改革の方針を表明する。
9日には、習近平主席と会談。現地報道によると、習主席は大統領就任を祝福するとともに、明の時代に船隊を率いてインドネシアも訪れた鄭和を引き合いに、両国関係の歴史を強調。「両国の包括的な戦略協力関係はアジア太平洋地域で最もダイナミックだ」と述べた。
これに対し、ジョコウィ大統領は「協力関係は両国にとって資産だ。今後、関係を強化していきたい」と応じた。
また、ジョコウィ大統領はアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を支持し、同銀設立に参加すると表明した。
AIIBは中国が主導する国際金融機関で、先月24日に中国や東南アジア諸国を中心とする21カ国が設立に合意、覚書に調印した。本部を北京に置き、2015年内の設立を目指す。日本や米国が主導するアジア開発銀行(ADB)とインフラ整備向け融資で競合することは確実で、日米両国や韓国、オーストラリアは参加していない。
インドネシアは24日の調印式に参加していないが、これまでにソフヤン・ジャリル経済調整相やバンバン・ブロジョヌゴロ財務相が参加方針を示していた。
▼安倍首相とも会談
ジョコウィ大統領は10日午前、安倍首相と会談するほか、米国のオバマ大統領、ロシアのプーチン大統領とも会談する予定だ。
10日に開かれるAPEC・CEO(最高経営責任者)サミットで行う演説では、国内経済を展望し、経済統合や地域の接続性を向上させる必要性を訴えるなど自身の考えを積極的に打ち出す。
10、11日の北京での首脳会議出席後、12、13日にミャンマーの首都ネピドーで開かれるASEAN関連首脳会議、15、16日にはオーストラリアのブリスベンで開かれるG20首脳会議に出席する。(田村隼哉)