美容室「Ash」オープン 日本の技術で新スタイル提案 南ジャカルタガンダリア
日本で美容室「Ash」を展開する大手美容室チェーン、アルテサロンホールディングスは3日、南ジャカルタ・ガンダリアのマンション「ワンパーク・レジデンス」にインドネシア1号店をオープンした。アジアでは昨年出店したシンガポールに続き2カ国目で、新たな顧客獲得とともに美容師育成を目指す。
店のコンセプトは「発信地」。日本の技術を生かした新たなスタイルを提案するだけでなく、インドネシア人美容師を育てる場所にする。日本人スタイリストが施術する傍で、インドネシア人スタッフはアシスタントとして技術を習得。東京から最新情報を入手するほか、2、3カ月に1度、日本から美容師を招き、新たなスタイリング技術なども学ぶ。
アルテサロンホールディングスの吉原直樹取締役会長(58)は「大切なのは店舗数を増やすことよりも、美容師という人材。インドネシアでも日本の技術を持った美容師を育てたい」と強調。共に美容室を経営していける人材を長期的に育てる構想を説明した。シンガポールには既に3店舗あり、「いつかアジアのヴィダル・サスーンと呼ばれるようになれたら」と語った。
吉原氏は自著の「『世界で戦える日本』をつくる新発想」(幻冬舎)で、職人の高い技術力とこまやかなおもてなし精神を持つ「人財力」は、日本が世界に対して誇れる強み、と説いて注目を集めた。インドネシアでもこの強みを生かしていく考えだ。
▽スマホ用の工夫も
インドネシアで展開していくにあたり、文化や習慣に配慮する。日本で人気があるのは「かわいい」スタイルだが、インドネシアでは「セクシー」なスタイル。日本の技術を上手く合わせていくという。
店長の後藤和也さん(26)は現地の美容学校に通ったり美容室で働いたりして経験を積んだ。「インドネシアと日本では髪質も文化も違い、日本の技術だけでは足りない。インドネシアに合わせた新たなスタイルを提案していきたい」と意気込みを語った。
店内では髪をセットした後に写真を撮れるよう撮影スタジオを設置。インドネシアではSNSやスマートフォンなどの待ち受け画面に自分の顔写真を使う人が多いことから、新たなサービスとして採用した。さらに、マッサージのような独自の「気持ちいいシャンプー」の方法にもこだわるという。
1号店は日本食スーパーパパイヤ・エクスプレス店前にあり、営業時間は午前10時〜午後8時。定休日は火曜日。予約制。電話021・2953・8111、日本語対応の021・2953・8222。(毛利春香、写真も)