「イ・中の構想は合致」 中国外相、大統領と会談 海洋国家を支持
中国の王毅外相は3日、中央ジャカルタでレトノ外相やジョコウィ大統領と個別に会談し、ジョコウィ政権が掲げる「海洋国家」構想の実現に向け、積極的に協力する考えを伝えた。地域大国であるインドネシアとの関係を強化し、南シナ海からインド洋にかけての海洋進出を有利に進める狙いがある。
外務省であった外相会談後の共同記者会見で王氏は、ジョコウィ氏の構想を強く支持すると表明。習近平国家主席が昨年10月、インドネシア国会での演説で提唱し、東南アジアやインド洋諸国と中国が海洋協力を進め貿易ルートを確保する「21世紀海上シルクロード」建設を引き合いに、「二国の構想は合致している。海上シルクロードにとってインドネシアは最も重要な要素と位置づけている」と述べた。
また王氏は、10、11の両日に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)にジョコウィ氏が出席し、習氏との首脳会談も予定していることを明らかにした。
一方、レトノ氏は「中国との良好な関係は二国間の利益にとどまらず、地域や世界全体の利益につながるだろう」と述べ、中国の積極的関与を歓迎。今後5年間でインドネシアが進める開発計画について説明し、インフラ分野でも協力の機会を拡大したい考えを示した。
王氏とジョコウィ氏は大統領宮殿(イスタナ)で会談。会談後、ジョコウィ氏が記者団に話したところによると、スマトラ島で計画が進むスマトラ縦断高速道路建設や国内の海上輸送網、港湾開発、鉄道分野などで中国の協力を求めた。(道下健弘、写真も)