カイゼンの技術協力促進 EPAでセミナー開く 自動車関連企業が成果発表
日本とインドネシアの二国間経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシアの製造業の競争力強化を目的に立ち上げられた製造業開発センター(MIDEC)の一環として、二〇〇八年に開始した日イ自動車産業協力事業のうち今年六―十二月に行われた人材育成プロジェクトの成果発表が九日、南ジャカルタの工業省で開催された。
三つあるうちの第一ワーキング・グループでは、品質管理、生産性向上を目指し、インドネシア側から、工業省、自動車工業会(ガイキンド)、自動車部品業者協会(GIAMM)、二輪車製造業者協会(AISI)、日本側は、日本貿易振興機構(ジェトロ)、経済産業省が参画した。
従来の日本人専門家による巡回指導ではなく、インドネシア人自身が、自立的・持続的に「カイゼン」活動を行えるような制度作りを進めている。
インドネシア資本一〇〇%などの条件を基に選定された自動車部品会社九社に対し、今年六月からプロジェクトを開始。十一月からは、実際に工場での指導を開始し、九日に成果の最終発表を行った。
「5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)」、「カイゼン」の実践状況や、向上した生産性などについて九社がそれぞれ発表した。
プロジェクトで「カイゼン」の指導を行ったジェトロ専門家の中島省三氏は「一人でできる作業を二人でやることは、日本では絶対に許されない。インドネシアでは、そのようなことを不思議に思うことはなかった。今後を考えると、この気づきは良かったと思う。カイゼンは、問題点を見つけることが重要だ」とコメント。ジェトロ・ジャカルタ事務所の市原克典シニア・ディレクターは「カイゼンは終わりがなく、続けていかなければ意味がない。今回九社すべてが成果を出した。カイゼンは実行すれば、必ず成果が出る。国全体をけん引する自動車産業をリードしていってほしい」と締め括った。
同様のプロジェクトが来年にも予定されている。