「勤労内閣」34人を発表 半分は専門家、メガ氏影響も クリーンな人選を強調 ジョコウィ氏
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は26日、閣僚を発表した。34閣僚は27日に就任式を迎え、新内閣「勤労内閣」がついに始動する。名簿には実業家、経営者、学者、政党所属者がひしめくが、メガワティ氏の影響力も影を落としている。
ジョコウィ氏は26日午後6時過ぎ、大統領宮殿の前庭で記者会見し、34人の閣僚を発表、専門家19人と政党所属者15人とする制限を維持した。
自身のトレードマークになった白いワイシャツを全員で着て、清廉な印象を出した。「われわれは厳選された、清廉な人物を得たかった。そのため、信頼する汚職撲滅委員会(KPK)と金融取引報告分析センター(PPATK)と連絡を取り合った。選んだ人物は適材適所であり、管理能力がある」と説明した。
筆頭閣僚の4人の調整相=キーワード=は、国軍出身者を置く慣例がある政治法務治安調整相にテジョ・エディ・プルディヤトノ元海軍参謀長(ナスデム党)、経済調整相をソフヤン・ジャリル元国営企業相、新設の海事調整相をインドロヨノ・スシロ氏と分野ごとの専門家を置いた。
福祉調整相を改称した人間・文化開発調整相は闘争民主党(PDIP)のメガワティ党首長女プアン氏。同相には政治家を置く場合が多い。
主要経済閣僚は専門家や実業家中心。パナソニックの現地パートナーや、インドネシア日本友好協会(PPIJ)理事長のラフマット・ゴーベル氏が商業相。工業相はハヌラ党幹部のサレ・フシン氏。2011年のユドヨノ改造内閣の4人から倍増の女性8人を登用。レトノ元駐オランダ大使は初めての女性外相。パプア出身初の女性閣僚としてヨハナ・イエンビセ氏が女性児童相に抜てき。
▼メガ人脈入閣
注目された連合政党内の閣僚ポスト割りは闘争民主党(PDIP)5、民族覚醒党(PKB)4、ナスデム党3、ハヌラ党2、開発統一党(PPP)1。
メガワティ党首は政権への影響力を残した。プアン氏のほか、側近のリニ・スマルノ国営企業相とリャミザード・リャクドゥ元陸軍参謀長も入閣。プアン氏は「(母の)代理人と呼ばないでほしい。与えられた仕事に全力で取り組む」と話した。
プラボウォ派から就任式直前に滑り込み入閣したPPPは、ユドヨノ政権からの宗教相ポストを維持した。(吉田拓史)
調整相 大統領の下で政治法務治安、経済、海事、人材・文化の各分野の閣僚を調整、監督する筆頭閣僚