大統領と握手できた! 露天商、主婦… 記念行事に集う

 「ジョコウィ新大統領と握手できた」「『大統領!』と声をかけたら応えてくれた」
 20日に就任祝賀パレードがあった首都目抜き通りと独立記念塔(モナス)広場には観衆3万人以上(実行委員会集計)が集まった。厳しい立ち入り制限がなく、ジョコウィとカラの正副新大統領が乗った馬車に近づけると聞きつけた市民らはルートに殺到。露天商、主婦、大量高速鉄道(MRT)作業員、会社員など日頃、政府要人と触れる機会がない市民は新大統領と触れ合い、夜のイベントまで就任の日の喜びを分かち合った。

 ヌガディアさん(55)は、ジョコウィ氏出身の中部ジャワ州スラカルタ(ソロ)から、この日のためにジャカルタに来た。同氏がソロ市長選に立候補した頃から熱烈な支持者。「誠実で謙虚な人。国民のことを一番に考えてくれるはず」と期待を込めた。
 目抜きのタムリン通りでは、市民が道路脇、歩道橋の上などから正副新大統領が乗った公用車と馬車を待ち受けた。MRTの工事現場から顔をのぞかせた作業員が「ジョコウィ!」と叫び、声援を送ると、ジョコウィ氏は笑顔で手を振り、親しみを示す3本指を立て応えた。
 警備員を押しのけて、若い女性などが「ジョコウィー」と手を伸ばして馬車に接近。新大統領はやや当惑しながらも、握手で応え、市民と喜びを共有した。
 モナス広場周辺にはカキリマ(移動式屋台)がずらりと出店。パレード終了後も家族連れや若者らなど大勢の人が残り、夜のライブイベントや無料で振る舞われる料理を心待ちにした。
 広場の出口付近では、ジョコウィ氏の顔が描かれたオリジナルTシャツが1枚5万ルピアで売られていた。
 露天商のウディンさん(50)は、午後5時半までに300枚ほど売れたと上機嫌。これまで、広場でジョコウィ氏関連のイベントがある度に、Tシャツを売ってきた。「これからの彼が楽しみ。汚職がないクリーンな大統領だと信じている」と拳を握りしめた。
 80歳を超えるブディ・ティティスさんは娘とともに西ジャワ州インドラマユから来た。親子でジョコウィTシャツを着るほどの熱烈な支持者。「ジョコウィは若い。何でもできる」と新しい指導者への期待で胸を膨らませた。
 南タンゲランから家族5人で来た主婦ユミさん(38)は「ユドヨノ前大統領は政策決定に時間がかかっていたし、汚職問題もきちんと解決できなかった。ジョコウィ氏にはクリーンな政治を求める」と期待を胸に込めた。
 午後1時からイベントがスタート。夕方になるにつれ広場はすし詰め状態になり、午後6時過ぎにジョコウィ氏が登場すると、大きな歓声が沸き上がった。観衆が国歌インドネシア・ラヤを歌い、ジョコウィ氏は「これから国を繁栄するために、みんなと力を合わせたい」と声援に応えた。(山本康行、西村百合恵、毛利春香)

政治 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly