駅構内と電車内にモニター 最新の運行状況確認 年内240本に設置
首都圏の鉄道路線を管理運営する国鉄子会社KAIコミューター・ジャボデタベック(KCJ)は16日、駅構内などに、運行状況をリアルタイムで表示するモニターを設置すると発表した。中央ジャカルタのスディルマン駅やジュアンダ駅では、一部列車で先行導入しており、今後設置を拡大していく。
ジュアンダ駅では、各ホームに幅約80センチ、高さ約50センチのモニターを4台ずつ設置。到着や出発が近づいた列車を一覧で表示し、列車の号数と行き先、現在地、乗車ホームの番号を表示する。一目で行き先が分かるよう緑色はボゴール、紫色はブカシ、赤色はコタと、路線別に色分けされている。
スディルマン駅には幅1メートル、高さ約2メートルの大型モニターを改札入り口前に設置した。
KCJはツイッターやフェイスブックを通じて事故や遅延情報を発信するなど、情報技術を生かして利便性の向上に力を入れている。
モニター設置もそうした取り組みの一つだが、まだ存在が知られていないことや、表示の見にくさから、利用者から歓迎の声はあまり聞かれない。17日夕方、帰宅客で込み合うジュアンダ駅でも、モニター前で足を止める人の姿はまばらだった。
西ジャワ州ブカシ行の電車を待っていた小売店従業員のスザリンさん(45)は「遅れや事故の情報を知ったところで待つしかない。それに情報量が多すぎて、とても見にくい」と無関心そうに話した。一方、モニターを見ていた少ない利用者の一人で、同州ボゴール在住の会社員アリスさん(28)は「情報のないまま待ち続けるより、状況が分かるほうがいい。ただ初めて来た人は、色分けなど見方が理解できず混乱するかもしれない」と表示の工夫に注文を付けた。
車内にモニターが設置されているのは、今のところボゴール〜ジャカルタ〜ブカシ間を走る列車1本のみ。各車両にモニター4台を設置し、運行状況やマナー喚起、ニュースやイベント情報を表示する。KCJは12月末までに電車240本への設置を目指している。(毛利春香、写真も)