米粉でハラル認証取得 パンやスイーツの試作品も 行政も支援、国内外へ
コンサルタントや製粉業を手掛けるシーワン社(本社・岡山市、田中弘志社長)は7日、日本の認証団体から米粉でハラル認証を取得したと発表した。米粉でのハラル認証は業界初といい、地元岡山やインドネシアで事業を展開しているベーカリーとコラボし、パンやスイーツなどの試作品も製造。今後、東南アジアや中東向けに完成品の輸出を目指す考えだ。
取得は今年8月。認証団体は、ドバイを含む中東へ和牛などを輸出した実績のある宗教法人日本イスラーム文化センターが担当した。ハラル認証紹介や販売支援については、ハラルマーケティング支援を手掛ける非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会が協力した。
ハラル認証を受けた米粉でパンなどの試作品を製造したのは、地元岡山の「おかやま工房・リエゾン」。同社の河上祐隆ベーカリープロデューサー兼CEOはイスラム圏の食習慣や好みを熟知しており、米粉を50%以上含み、もちもちした食感を活かした無添加のパンやスイーツに仕上げた。
惣菜パンの具に使用する材料もハラルにこだわり、ムスリムに限らず、「誰にとっても安心・安全」の味わいを実現した。
米粉の材料となるのは、岡山県産のコシヒカリやあきたこまち。生産地の同県吉備中央町の山本雅則町長も「町ぐるみで支援をしたい」と表明。米の消費拡大、製品輸出をはじめ、雇用創出も見据えたクールジャパンを意識したプロジェクトにもなった。
7日、東京で記者会見したシーワンの田中社長らは「地方から世界に向けた大きなチャレンジ。観光と農業で地方から元気になれるプロジェクトとしてPRしたい」と話した。