国会議長にゴルカル幹部 野党連合、副議長も独占 与党、多数派工作に苦心
国会(DPR)は2日、新国会議長に第2党ゴルカル党のスティヤ・ノファント前国会会派代表(58)を選出、副議長4人ともにプラボウォ氏主導の野党「メラプティ連合」幹部で固めた。任期は2019年まで。ジョコウィ次期大統領(20日就任)の与党連合は国会採決で連敗を喫した。国会幹部が決まったことで与野党の構成はほぼ固まり、ジョコウィ氏は野党が多数派を形成する国会対策に苦心しそうだ。
副議長4人はプラボウォ氏の右腕ファドリ・ゾン氏(グリンドラ党)、アグス・ヘルマント氏(民主党)、ファフリ・ハムザ氏(福祉正義党=PKS)、タウフィック・クルニアワン氏(国民信託党=PAN)。
野党連合は7月の大統領選直後、正副議長選出に関する国会関連法の改正を成し遂げ、議長は国会第1党の代表ではなく、採決で決定するとの規定に変更していた。これにより多数派を形成する野党連合が正副議長ポストを掌握した。
議員の就任式が行われた1日から2日未明にかけ国会本会議は紛糾。国会規定の改正を主張する与党連合の議員らが議長席に詰め寄り、混乱が生じた。与党側は「正副議長を会派間で協議して選ぶと定められている」と訴えたが、野党連合に一蹴され議場を退出した。
国会と地方代表議会(DPD)の議員で構成する国民協議会(MPR)の議長候補には、民主党のシャリフディン・ハサン氏(協同組合・中小企業国務相)が有力視されている。MPR副議長には、プラボウォ氏の前妻でスハルト元大統領の次女ティティック氏らの名前も取り沙汰されている。
■メガ、民主への接近が鍵
野党連合(5党)は計292議席、与党連合(4党)は同207議席。61議席の民主党は国会議長選では野党側についたが、地方首長の間接選挙導入には一転して反対する構えを示している。
民主党を除くと議席4割にも満たない与党連合は、野党の多数派工作に対抗するためには民主党など他党の支持が必要だ。だが闘争民主党(PDIP)を率いるメガワティ氏とユドヨノ氏の間には個人的な確執もある。メガワティ政権で筆頭閣僚を務めたユドヨノ氏が2004年大統領選の準備を始めたことが原因で不和が生じた。ユドヨノ政権の10年間、PDIPは野党に甘んじたこともあり、メガワティ氏はユドヨノ批判を展開。2人が10年間であいさつを交わしたのは3回のみだ。
両者の和解が政権安定化に重要との見方が与党内で強まり、ジョコウィ氏は1日夜にユドヨノ氏と会談し、メガワティ氏がユドヨノ氏側に歩み寄る意向を伝えた。2日午前にもメガワティ氏とユドヨノ氏が2者会談を行い、民主党を引き込む思惑だったが、調整がつかず実現しなかった。
PDIPのプラモノ・アヌン氏は「プラボウォ氏側と連絡を取り、(与野党)両者の対立激化を防ぐ」と述べた。 (配島克彦)