民主が直接選挙維持に 国会紛糾、採決ずれ込む 地方首長改正案

 改正地方首長選挙法案を審議する国会本会議が25日開かれ、キャスティングボートを握る民主党は直接選挙維持に賛成する方向でまとまった。ユドヨノ大統領の民主党がジョコウィ次期大統領の闘争民主党(PDIP)連合と同調する姿勢を見せたことで、プラボウォ氏主導の野党連合は劣勢になったが、党派間の調整のため本会議は中断を繰り返し、採決を深夜に持ち越した。   
 間接選挙への移行論議は、7月の大統領選で落選したプラボウォ氏が呼び掛け、グリンドラ党やゴルカル、福祉正義党(PKS)などが参加する野党「メラプティ連合」が押し進めていた。国会と地方議会で多数派を握る形勢を生かし、連合に近い首長を誕生させることで、ジョコウィ新政権を揺さぶる狙いがある。 
 この日の本会議には、メラプティ連合は議席273のうち245人が出席した。一方、PDIPや民族覚醒党(PKB)などジョコウィ連合は計139議席中120人が出席し、民主党の出席者128人(議席数は148議席)が加わった。直接選挙支持派は248人になる計算で、わずかにメラプティ連合を上回る。造反が出る可能性もあり、先行きは依然として不透明だ。 
 民主党は直接選挙を支持する場合の条件として、地方選挙の改革案に盛り込むべき10項目を提示。このうち、議会による候補者の適正審査を設ける規定を、PDIPなどが受け入れるかどうかで調整が難航した。 
 インドネシア調査研究サークル(LSI)が今月上旬に実施した世論調査では、8割以上が間接選挙に反対した。各地の有権者や現職首長らの抗議運動の高まりを受け、ユドヨノ大統領も直接選挙の支持を表明した。党執行部も18日に直接選挙を支持する党方針をまとめたが、国会議員団から異論があり、本会議当日まで情勢は流動的だった。 
 今回改正の対象としたのは2004年に制定した法律。スハルト独裁政権崩壊後の民主化と地方分権の流れのなかで、05年に初めて実施された地方首長直接選挙の根拠になったもの。 
 メラプティ連合側は、現行制度では地方議会選(州、県市議会)と首長選の二つの選挙を実施するために、政府予算や政党の政治資金が膨張したり、ばらまき選挙の横行につながるなどと主張し、間接選挙に変えようとしていた。(道下健弘)

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