知識経済指数、イは107位 アジア開発銀行まとめ 他のアジア新興国と比べ低水準

 インドネシア経済における知識集約の度合いはアジアの中で低水準―。このような実態が、アジア開発銀行(ADB)がこのほど発表した報告書で明らかとなった。報告書は、一国の経済における知識集積度合いを示す知識経済指数(KBI)が他の東南アジア新興国に比べ低いことを指摘。新興国に特有の「中進国の罠」を回避するためにもこれらの改善が必要としている。
 知識・情報や技術革新が経済運営に生かされている状態のことを「知識集約型経済」と呼ぶ。世界銀行が発表する最新KBIランキング(2012年時点)ではインドネシアは145カ国中107位の3・11ポイント。マレーシア(48位)タイ(66位)、フィリピン(92位)、ベトナム(103位)など、他の東南アジア新興国よりも低い水準だった。アジア地域では台湾(13位)を筆頭に日本、シンガポール、韓国の国々が7〜8ポイント台と、すでに知識集約型経済を達成している。
 KBIは知識集積度合いに関係する4項目(?経済的動機付けと法整備、?教育達成度、?イノベーション・新技術の応用、?情報・通信インフラ)、計12の指標について総合的に評価し指数化したデータ。知識や情報を企業経営に生かし、付加価値のある製品やサービスの開発・普及を可能とする制度をはじめ、人材、情報インフラなどの土壌が整っているか否かに着目している。
 ADBは、世銀発表のKBIのデータを基に、独自調査も合わせて報告書を作成。「インドネシアが知識集約型経済へ順調に移行するために、政府は起業やイノベーションを促進する制度、研究開発資金の支援、高等教育の質的改善に力を入れることが求められる」と結論づけた。
 同国は2030年には世界第7位の経済大国となり、今後が有望な新興国の一つと見られている。報告書はこの点を評価しながらも、「先進国へ仲間入りするためには新興国が陥りやすい中進国の罠の回避や所得格差の是正が必要。そのために知識集約型経済への移行を意識した経済運営がカギ」としている。(斉藤麻侑子)

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