アホック副知事 離党 プラボウォ氏に反旗 間接選挙導入案に抗議
アホック・ジャカルタ特別州副知事(次期知事)は10日、プラボウォ氏が率いる所属政党グリンドラ党を離党すると発表し、同日離党届を提出、受理された。同党主導の野党「メラプティ連合」が地方首長選挙改正案で間接選挙導入を主張していることに抗議、幾度も直接選挙で選ばれた自身の存在を否定する方針と糾弾し反旗を翻した。
アホック氏は「国民が首長を直接選ぶのが最良の方法だ」と強調。大統領選で敗北した後、ジョコウィ氏を揺さぶるための議会工作へかじを切ったグリンドラ党の間接選挙案について「州議会が知事選を実施するなら、私自身、2017年の次回選挙で選ばれることもない」と断言。「このようなやり方がまかり通るなら、政党から足を洗う」と決意を表明した。
アホック氏はジョコウィ氏の所属政党・闘争民主党(PDIP)への参加については「関係は良好だが、入党するつもりはない」とし、「残りの任期3年はどの政党にも入らず、州政に集中したい」と話した。
アホック氏はグリンドラ党の中央執行部に離党届を提出。同党幹部のエディ・プラボウォ氏は「近年の首長選の実施状況を調べ、多額の予算がかかる直接選挙を変革する必要があるとの結論に達した」と説明。「離党しても方針を変えるつもりはない」とした。
同党のタウフィック・ジャカルタ支部長は「(副知事候補に擁立した)党への感謝を忘れた身勝手な行為」とアホック氏を非難。これに対しアホック氏は「私を支持したのは政党だけではない。ジャカルタ州民が(直接選挙で)所属政党にとらわれず、選んでくれた」と反論した。
間接選挙導入案をめぐり、識者から非難が続出している。日刊紙コンパスやコランテンポは連日1面トップで批判記事を掲載し、「(プラボウォ氏の案に同調する)ユドヨノ政権は幕引きでスハルト時代へ回帰した」と非難している。
ジョコウィ氏はアホック氏の離党について「直接選挙で優れた人材が首長に選ばれてきたと実感してきたはず。民主主義の後退ととらえたのだろう。勇気ある態度だ」とたたえた。また、間接選挙について「大統領は直接選挙で選び、その下の首長は間接選挙にするというのは論理的でない。大統領制に基づいて首長選挙法を改正すべきだ」と見解を表明した。(配島克彦)