インターネットに7時間 オンライン上の売買活況 16年には購入額295兆ルピア
市場調査会社「ミルワード・ブラウン」がこのほど公表した調査によると、インドネシアのインターネット利用者は、1日平均で約7時間利用していることがわかった。ゲームやSNSだけでなく、ネット上で買い物をする人も増えている。(佐藤拓也)
電子商取引協会(IDEA)によると、2013年のネット上での購入額は94・5兆ルピア(約8300億円)。16年には約3倍の295兆ルピア(約2兆6千万円)まで増えると試算している。クレジットカード協会(AKKI)は、インターネット上の購入におけるクレジットカード利用額が、全体の10〜15%に達したことを公表した。
今年で設立5周年を迎えた大手ショッピングサイト「トコ・ペディア」は、毎月200万品以上の商品を仲介する。同サイトは売買する人に「評価」機能を追加。以前の売買取引が確認できるようになり、安全性が増した。大手ショッピングサイト「OLXトコ・バグース」は商品販売に加え、ホテルの予約や航空券の購入、低価格な旅行プランの提供を始めた。
日系企業では、ネット広告のマイクロアド・インドネシアが6月に電子商取引向けの現地法人を設立した。三井物産と事業提携し電子商取引関連事業の開発を共同で検討する。
同社は日本の女性向けファッションの国内への浸透を図る。「香港やタイなどでは日本の女性ファッション誌が売れている。インドネシアでもニーズはある」(榎原良樹最高執行責任者)と、ソーシャルメディアを通じ、若い女性向けファッションの需要を開拓する。
一方、小売業全体でみると、オンライン上の売買額は1%にとどまり、既存の小売業が大半を占める。ネット広告アドウェイズ・インドネシアの小倉広嵩ゼネラル・マネージャーは、「(ネット市場は)まだ待ちの状態が続いている」と話した。
同調査会社によると、パソコンやスマートフォン、タブレット端末からの利用時間を調査し、ネット売買などの実態を明らかにしたという。調べによると、スマートフォンの利用時間は1日約3時間。パソコンとタブレット端末はそれぞれ約2時間だった。