炎上事故で州政府 バス29台を回収検査 トランスジャカルタ
南ジャカルタ・シシンガマンガラジャ通りで首都圏専用路線バス「トランスジャカルタ」の車両(約28トン、最高速度80キロ)が先月28日、出火し全焼した問題で、ジャカルタ特別州交通局は1日、製造元の中国・宇通社製バス29台を回収すると明らかにした。
ムハンマド・アクバル局長が同日明らかにした事故調査によると、バスは28日午前7時35分ごろ、左側のエンジン付近と後方タイヤから煙が上がり、約5分後に爆発した。エンジン温度が上昇し、オーバーヒートしたため出火したという。さらにタイヤに亀裂があることから、タイヤ内の空気圧が低下しているのに高速で走行を続けると起きるスタンディングウエーブ現象の可能性を指摘した。
州営トランスジャカルタのブタルブタル社長は事故原因は調査中と強調した上で、全焼したバスは購入から8カ月間、午前5時〜夕方ごろまで走行を続けていたと説明。車両点検は定期的に実施していたが、損傷には気付かなかったという。先月29日から宇通社製バスの回収を始め、少なくとも10台に車両検査を実施した。現在走行中の19台には、順次車両検査を実施する予定だ。
アホック副知事は1日、運用1年未満でエンジンやタイヤに劣化が生じたことを挙げ、同社製バスの部品に不良品や中古品を使用していた可能性を考慮して調査すべきだと指摘。「新車だからと信頼している乗客を裏切る行為だ」と批判した。
販売代理店コリンド・モーターズのチェン・チョンキョン所長は2日、バス部品は新品だったと説明。来年1月まで保証期間内のため、エンジンなど部品交換は無料で行うと話し、強気な姿勢を見せている。
州政府は今年1月、宇通社製バス30台を37億ルピアで購入した。全11レーンを約450台が走行している。(西村百合恵)