インフラ重視鮮明に ユドヨノ大統領 来年予算案を国会提出 成長率目標6.8% 歳出入過去最高

 ユドヨノ大統領は16日、2013年の国家予算案を国会に提出、堅調な国内消費と新規投資が成長をけん引し、今年の成長率が6.3―6.5%になると予測した。世界経済の先行きは不透明なままだが、来年の経済成長率目標はさらに加速した6.8%に設定。持続的な成長を獲得するために、インフラ分野などに重点的に予算を割り当てるとしている。
 政府は毎年、独立記念日直前に翌年の国家予算案を国会に提出。年末までに審議を行う。13年の予算案では、歳出入がともに初めて1500兆ルピアを超えた。歳出総額は前年補正予算の7.1%増となる1657兆9千億ルピア(約13兆9千億円)、歳入総額は同11%増となる1507兆7千億ルピア(約12兆6千億円)とした。来年国家予算案は、数カ月以内に国会で承認される見通し。
 ユドヨノ大統領は国会で行った演説の中で「国内交通、エネルギー、食糧分野でのインフラを充実させていく」と述べ、財政規律を維持しながら、インフラ整備を進める方針を示した。公共事業などの資本支出を今年の予算から15%増の193兆8千億ルピア(約1兆6千億円)とし、4431キロメートル分の道路整備や、15カ所の新空港建設などに割り当てるとの方針を示した。
 13年予算の財政赤字は国内総生産(GDP)比1.62%と、前年予算の2.23%から減少となる150兆2千億ルピア(約1兆3千億円)に設定した。
■インフレは4.9%に
 マクロ経済指標設定値は①インフレ率が4.9%②年間平均金利(国債3カ月物)が5.0%③ルピアの対ドル年間平均レートが9300④原油年間平均価格がバレル当たり100ドル⑤原油産出量が日産90万バレル。国内石油消費の抑制を目指し、石油からガス燃料への転換を進めている政府は、今回初めて天然ガス産出量を設定し、平均で日産136万バレルとした。
■国防省が最高
 政府機関別の予算配分では、20兆ルピアを上回ったのが7機関。最高額は、国防省で77兆7千億ルピア、公共事業省が69兆1千億ルピア、教育文化省が66兆ルピア、国家警察が43兆4千億ルピア、宗教省が41兆7千億ルピア、運輸省が31兆4千億ルピア、保健省が31兆2千億ルピアとなった。
■補助金は18%増
 補助金支出は前年予算から18%増となる見通し。
 価格の値上げが今年3月に頓挫し、懸案となっている燃料への補助金は193兆8千億ルピア(約1兆6千億円)、電力補助金は80兆9千億ルピア(約7千億円)とした。非エネルギー向けの補助金額は、17兆2千億ルピア(約1400億円)の食糧向けをはじめとした計41兆4千億ルピア(約3500億円)。

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