独立69周年祝う 政府関係者、大使見守る ユドヨノ政権最後
政府は17日、独立69周年を祝う式典を中央ジャカルタの大統領宮殿(イスタナ)で開催した。ユドヨノ大統領とブディオノ副大統領、閣僚をはじめ、ジャカルタ特別州のジョコウィ知事も出席。退役軍人、国会議員、各国大使ら約千人の出席者とともに69回目の独立記念日を祝った。日本からは鹿取克章・駐インドネシア日本大使らが出席した。
式典は午前10時に始まった。独立記念日の17日にちなみ17発の礼砲が撃たれた後、1分間黙祷し独立戦争で亡くなった犠牲者を弔った。その後、シダルト・ダヌスブロ国民協議会(MPR)議長が69年前にスカルノ、ハッタ初代正副大統領が独立を宣言した文章を読み上げ、全員起立して耳を傾けた。
例年通り、全国34州から選抜された国旗掲揚の青年隊も真っ白の制服を着て参加。ユドヨノ大統領から国旗を受け取ったのは北スラウェシ州から選ばれたジュアナ・ギタ・メディナス(16)さん。一糸乱れぬ歩調で国旗掲揚隊とともに国旗掲揚台まで国旗を運ぶ重責を全うした。
国旗掲揚後には国軍機32機が空を旋回。掲揚された国旗と戦闘機を同時に見上げる空に、大きな歓声があがった。
今年の式典では毎年参加している元残留日本兵の姿はなかった。昨年まで参加した宮原永治さんは昨年10月に死去。元残留日本兵の互助組織「福祉友の会」は、日本に留学する日系インドネシア人学生に奨学金を給付し日イの懸け橋の象徴的団体。その福祉友の会の元残留日本兵も小野盛さん1人だが、95歳という高齢のため欠席した。
インドネシア人と共にオランダと独立戦争を戦い、戦後は日イの懸け橋となってきた残留日本兵が今回の式典には出席しなかった。10月にユドヨノ大統領が退任し新政権に移行する。今年の式典は日イ関係も世代間のバトンタッチが進みつつあることを示した。(藤本迅)
◇インドネシア独立記念日 1945年8月15日に日本がポツダム宣言を受諾したことを受け、スカルノとハッタはインドネシアの統治権が再びオランダに移る前に独立を果たそうと連合国の承認を経ずに、同年8月17日に独立を宣言した。その後、オランダの侵攻を受けたが、独立戦争を経てオランダがハーグ円卓会議で独立を承認。49年12月にインドネシア連邦共和国が成立。翌年8月15日にはインドネシア共和国が誕生した。8月17日は独立記念日と定められ、国民の祝日になっている。