地下鉄の6駅着工 渋滞悪化に懸念も MRT第1期工事イストラ〜ベンヒル間

 大量高速鉄道(MRT)建設事業の地下鉄部分の工事が6駅で始まった。州営MRTジャカルタは12日、第1期工事の地下鉄部分のイストラ〜ベンヒル駅区間で着工。スディルマン通り中央部に最大幅30メートルの用地を確保するため、工事の影響による交通渋滞の悪化が懸念されている。
 MRTの第1期工事では南ジャカルタのルバックブルス〜ホテル・インドネシア(HI)間に13駅(地上7駅、地下鉄6駅)を建設する。地下鉄はスナヤン、イストラ、ベンヒル、スティアブディ、ドゥクアタス、HIの6駅だ。イストラ、ベンヒルを除く4駅ではすでに建設がスタートしている。工事ではまず地下鉄駅部分を建設し、その後に掘削機で各駅を結ぶトンネルを掘る計画だ。
 イストラ駅の完成は2016年4月、ベンヒル駅部分の完成は同年6月を目指す。両駅の工事に伴い、スディルマン通りの中央分離帯に最大30メートル(ベンヒル駅部分)の工事用地を確保する必要がある。MRTジャカルタは歩道と緑地帯部分を縮小させ車線を敷設し、現在の車線数を維持する予定だ。
 ベンヒル駅建設予定地では、近くの首都圏専用路線バス「トランスジャカルタ」のカレット停留所を移設し、旧停留所と連結していた歩道橋を解体する。MRTジャカルタは歩行者に別の歩道橋を利用するよう呼び掛けている。
 しかし、工事による道幅の縮小やトランスジャカルタのバス専用車線の確保で渋滞悪化が懸念されている。MRTジャカルタは警視庁やジャカルタ特別州交通局と連携し渋滞緩和に取り組むとしているが、二輪車で通勤する会社員のフェラさんは「既に道幅が狭くなった部分で交通の流れは鈍り、渋滞は以前よりひどくなった」と話した。
 MRT事業を支援する国際協力機構(JICA)の担当者は、MRTジャカルタのウェブサイトで渋滞発生地点の監視カメラを随時チェックすることが可能とし、「利用者が渋滞に巻き込まれないよう支援するなど対策に取り組んでいる」
と話した。
 MRTジャカルタのドノ・ブスタミ社長は同日、第2期工事(HI〜カンプン・バンダン駅間の8駅)の入札に向けた実現可能性調査を来年初旬に開始する意向を示した。第2期工事を16年に着工することは可能と指摘し、入札準備を早急に進めたい考えだ。ジョコウィ次期大統領に対しては「建設プロセスをより円滑にしてほしい」と注文した。(小塩航大、写真も)

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