電子チケット値引き 購入者行列 トランスジャカルタ
首都圏専用路線バスのトランスジャカルタを運営する州営トランスジャカルタは、電子チケット「E―チケット」の導入を進めているが、現在ジャカルタ特別州内にあるコタ―ブロックM間など計11の路線では17日までカード代無料の販売キャンペーンを実施中。売り場には購入者の行列ができている。
E―チケットのカード代は2万ルピアでチャージ加算(入金)して使用する。カードは6種類ありマンディリ、バンク・ヌガラ・インドネシア(BNI)など提携する国内銀行6行の中から選ぶ。電子マネーカードとして、コンビニや飲食店、高速道路などでの支払いにも使用できる。電子チケットへのチャージ加算はバス駅や提携銀行の店舗で可能だ。入金の上限は100万ルピア。
現在同路線の11の路線で実施している「カード代無料キャンペーン」は、17日までの販売分については事前に2万ルピア分の入金がされていて、カード代2万ルピア分が実質無料となっている。18日からは1枚4万ルピアで2万ルピア分の入金済カードとなる。
中央ジャカルタのサリナ停留所管理人のブディさん(35)はトランスジャカルタが開通した2004年から勤務している。12日チケット購入者の列を見ながら「電子チケットに切り替わり、インドネシアの進歩を感じる。国外の電子チケットの技術の波がこの国にもやっとやってきた」と話した。
12日午後4時半ごろ、チケット売り場に並んでいた中央ジャカルタ在住の会社員ダニエルさん(50)は「電子チケットがあると聞きつけ、バス停まで買いに来た」と話す。また「この時間帯は会社帰りの人で混み合う。チケットの購入で10分以上待つこともある」と話す。「電子チケットで少しは待ち時間も減るかもしれない」と期待を込めた。
ブディさんによると、サリナ停留所で電子チケットを購入した人は、12日午前5時から午後3時までに499人、11日は午後1時から同10時までに1143人。しかしチケット購入しても乗客の多くは利用の仕方が分からず、1カ所しかないパス停入場口は混雑し従業員がチケットの使い方を教えていた。ブディさんは「今後はチケット売り場ではなく、入場口で混雑や問題が起きなければいいが」と不安を口にした。(山本康行、写真も)