中部ジャワに新発電所 バタン計画遅れに対応 電力需給への動き加速
事業会社が不可抗力条項の適用を宣言していた中部ジャワ州バタンの石炭火力発電所計画について、ハイルル経済調整相は6日、同州内に別途、同規模の火力発電所を建設する方針を示した。伊藤忠などが出資しているバタン計画では、土地収用が進まず事業は停滞しており、逼迫(ひっぱく)する電力需給に少しでも速く対応する構えだ。地元メディアが報じた。
ハイルル経済調整相によると、新たな発電所は同じ中部ジャワ州に建設する。新発電所の事業費は40億ドルで出力は計2千メガワットとバタン計画と同規模とする。詳しい場所は明らかにしていない。投資家は今後選定する。
同相はバタン計画も並行して進めるとしている。バタン計画の事業会社には伊藤忠のほか電源開発(Jパワー)も出資している。二つの計画が達成されれば、中部ジャワ州に東南アジア最大級の火力発電所が二つできることになる。
発電所はジャワ島とバリ島に電力を供給する予定で、国営電力PLNは計画が進まなければ、2017年から18年ごろに電力不足に陥ると試算している。
バタン計画では、地元住民や活動家の強い反対があり、用地226ヘクタールの内、29ヘクタールが未収用。政府は今年インフラ整備のための土地収用に関する法律を可決したが、それでも収用完了までに1年はかかる見込みで、新発電所建設を決めた。
Jパワー広報はハイルル経済調整相の発言について把握していないとした上で、「バタン計画は引き続き政府と協力しながら進める」と話している。
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不可抗力の適用を通知 Jパワーなど政府支援求める バタン発電計画 (2014年07月11日)