政権移行期チーム発足 予算編成や公約実現を協議 ジョコウィ次期大統領 「負の遺産」警戒か

 ジョコウィ次期大統領はユドヨノ政権を引き継ぐための政権移行期チームを設置し、政権発足に向けた準備を進めている。10月20日の就任式までの2カ月半を予算編成や公約実現の具体策立案などに充てるほか、2期10年を務めた現政権から継承する負の遺産に目を光らせる思惑もありそうだ。

 ジョコウィ氏は4日、同チームの中核メンバーを発表、大統領選の戦略を練ってきた闘争民主党(PDIP)や連合政党の幹部ら5人を紹介した。
 代表に就任したのは、アストラ・インターナショナル社長などを経て、メガワティ政権で産業貿易相を務めたリニ・スマルノ氏。副代表にハスト・クリスティヤント氏(PDIP副幹事長)、アンディ・ウィジャヤント氏(同党選対事務局長)、アニス・バスウェダン氏(選対広報官)、アクバル・ファイザル氏(ナスデム党)の4人が就いた。ジョコウィ氏は「このメンバーが自動的に閣僚になるわけではない」としている。
 任務はユドヨノ大統領が今月16日に国会へ提出する来年国家予算案について協議するほか、新政権の国家機関再編や組閣、公約実現に向けた具体的な政策案などを準備する。
 特に中部ジャワ州ソロ市長、ジャカルタ特別州知事時代に一貫して取り組んできた教育、保健の無償プログラムの全国版実現に向けた用意を進める。義務教育を現行の小中9年から小中高の12年に拡大する方針を示しており、来年予算を確保したい考えだ。知事公邸近くの中央ジャカルタ・メンテンに事務所を構え、ジョコウィ氏も毎夕会合に参加しているという。
 国家予算案は例年通り独立記念日前に発表されるが、ユドヨノ大統領は予算編成をジョコウィ新政権に引き継ぐために協力すると言明。メガワティ政権後に就任した当時、「前政権からの引き継ぎがなく苦労した」と述懐した。移行期チームは現政権へのロビー活動を開始している。
 組閣についてジョコウィ氏はソーシャルメディアなどを活用し、市民から幅広く意見を聞き「専門家内閣」にするとしている一方、連合政党にも配慮し、政党出身でも実行力のある専門家の起用を考えると柔軟な姿勢を示している。リニ氏は「ジョコウィ氏が常に語っているように適材適所を重視する。最終的に選ぶのはジョコウィ氏だ」と話した。

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