中小企業の進出に期待 来日のハッサン大臣ら 新規分野への投資が有望

 インドネシアの中小企業省が、同国の中小企業育成に向け、日本の業者に期待を強めている。このほど来日したハッサン大臣ら同省首脳は、日本の大企業が少ないスマトラ島などジャワ島以外への進出や、農業をはじめ日系企業が少ない新規分野へ着目するよう呼びかけた。

■島の特徴に合わせ投資を
 同省首脳は独立行政法人の中小企業基盤整備機構(中小機構)との業務協力協定締結のため来日、日本の中小企業関係者約500人を前に、同国の中小企業政策を説明した。
 ハッサン大臣は講演を得意の日本語で行った。まずインドネシアの魅力について世界最大の島嶼(しょ)国家であると指摘。「国の東西の距離は東京からジャカルタほどの広さがある。この地域に点在する島々は自然環境や保有する資源も異なる。潜在的可能性を持つ島々でもビジネスチャンスを探って欲しい」と述べた。
 その上で、「日本の中小企業は様々な専門性が強み。それぞれの島の特徴をつかみ、専門性を生かした投資をすると素晴らしい結果が期待できると思う」と各地への投資を呼びかけた。

■農業・ICTなど有望
 一方、ワヤン・ディプタ副大臣は、具体的な有望投資品目について「農業・ICT(情報通信)産業・医療産業といった従来、日本企業の進出が少ない分野」と強調した。
 農林水産業分野ではカカオ、コーヒー、海藻、パーム油、魚介類の5品目は将来性があると指摘。漁業では排他的経済水域は541万平方キロメートルと世界第3位の面積を有し、潜在的漁業資源が豊富だが、輸送や加工システムが未整備であるとの認識を示し、こうした未開発分野への日本の中小企業の投資に期待を込めた。
 新分野の中でも特に有望なのはICT産業と医療産業と述べ、「ICT部門では携帯端末や電子機器、医療器具では美容健康商品などへの需要が高まっている」と具体例を挙げた。

■他のアジア勢は先行も
 また、ディプタ副大臣は「このようなインドネシアが持つポテンシャルには中国・韓国・台湾・シンガポール・ロシアなどのアジア諸国も興味を示し、すでにビジネス展開を開始している」と付け加え、「日本の中小企業には明日明後日と待たずに一刻も早く投資してほしい」と強調した。(斉藤麻侑子、東京で)

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