断食明けでにぎわう街 花火、太鼓の音響く 各地で集団礼拝も

 高層ビルの間から数えきれないほどの花火が上がり、街には太鼓の音が鳴り響いた。ラマダン(断食月)が明けた。家族や友人と迎えるレバラン(断食明け大祭)。27日夜から28日まで喜びに沸く街の表情を追った。

 ジャカルタ州内でラマダン明けを祝う伝統行事「タクビラン」が27日午後8時ごろ始まった。多くの人が街に繰り出し、車やオートバイが通りを駆け回る。10〜20代の若者が多く、ヤギの皮などを張り合わせて作った大太鼓「ブドゥック」をたたき、歌を合唱する姿もあった。通り沿いでは子どもたちが爆竹を鳴らす。カキリマ(移動式屋台)や手持ち花火などを売る露店が立ち並び、街中にぎわいを見せた。
 中央ジャカルタ・クボンカチャンに住むユスフさん(22)は「今日は警察の規制も緩い。ヘルメットを着用しないでオートバイを運転できる」と話す。一方で花火の見物客でにぎわったタナアバンのマス・マンシュール通りでは地元警察が、タクビランで大型トラックの後ろに乗った子どもたちに向け、車から降りるよう呼びかける姿もあった。
 タクビランの喜びは州内各地で見られた。西ジャカルタ・コタにあるファタヒラ広場では同日午後10時ごろ、警察が広場周辺の渋滞を緩和するためオートバイの駐車を禁止するなど規制をかけた。タクビランは28日午前0時過ぎまで続き、人々の歓喜の声が夜の街に響いていた。
 同日午前7時ごろにはインドネシア各地で集団礼拝が始まった。北ジャカルタ・パドゥマンガンにあるモスク「ミフタフル・ジャンナ」と隣接する国営プルタミナのガソリンスタンドの敷地では、ムスリム約1500人が集まり厳かな雰囲気な中礼拝が行われた。(山本康行、写真も)

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