世界最大級の地熱発電設備 東芝が北スマトラで受注 60億円規模で16年にも稼動
東芝はこのほど、北スマトラ州サルーラに建設予定の世界最大級の地熱発電所向け発電設備を受注したと発表した。受注額は50〜60億円規模。
計画では110メガワット(MW)のプラント3機を建設する。東芝が受注したのは発電設備の主要機器である60MW地熱蒸気タービン・発電機3セット。2015年7月から順次納入し、16年11月の運転開始を見込んでいる。
プロジェクトは伊藤忠商事と九州電力、電力事業会社メドコ・パワー・インドネシア、米オーマット・インターナショナルが出資するサルーラ・オペレーションズが開発業者となり、現代建設がEPC(設計・調達・施工)を受注している。
インドネシアは世界第2位の2万8千MWの地熱資源量があるとされている。電力受給が逼迫(ひっぱく)する中、政府は電力増強を急いでおり、現在1300MWの地熱発電容量を25年までに1万2千MWまで増やす。ハイルル経済調整相は同発電所計画について「国の膨大な地熱資源の開発における大きな躍進になる」と期待している。
東芝のインドネシアでの地熱発電設備受注は2011年の西ジャワ州バンドン近郊のパトハ地熱発電所(55MW)に続き2件目。東芝担当者は「今後もインドネシア政府の方針もあり、重点的に受注を目指す」と話した。
東芝はこれまで世界各国に累計2800MWの地熱発電設備を納入しており、発電容量で世界トップの23%のシェアを占めている。(堀之内健史)