帰省シーズン到来 幹線道路封鎖で混乱も
レバラン(断食月明け大祭)を28日ごろに控え、今年も「ムディック(帰省)」の季節が到来した。都市部の地方出身者がレバランを親族と祝おうと一路故郷を目指す。多くが首都圏から陸路で移動し、例年、幹線道路が混雑する。交通警察は26日に交通量のピークを迎えると予測している。
20日、西ジャワ州バンドンやガルットなどを結ぶナグレグ道でオートバイにまたがった帰省者が増え始めたほか、バンテン州のムラク港ではフェリーでスマトラ島に向かう人々の姿が見られた。
バンバン・スサントノ運輸副大臣は19日、地元メディアに対し、全国で約2800万人がレバランの連休を利用して帰省するとの予測を明らかにした。運輸省は1500世帯を対象に帰省の状況を調査。帰省する人のうち、21.5%がオートバイ、23.8%が自家用車を利用するという。鉄道や飛行機を利用すると答えたのはそれぞれ9.2%と7.8%だった。
ジャカルタ特別州運輸局は同州から420万人が帰省すると予測している。昨年の370万人から12%増える見込みだ。
バンバン副大臣によると首都圏の帰省者の約半数がジャワ島北岸道(パントゥラ)を通り、このうち3分の2が中部ジャワ州の故郷を目指すという。北岸道をはじめとする幹線道路は例年この時期にオートバイや自動車が殺到して大渋滞に見舞われる。
北岸道は普段から交通量が多く、過積載のバスやトラックが頻繁に通行することもあって路面の損傷が早い。修復作業の遅れが目立ち、劣悪な路面状況が渋滞に拍車をかけている。
18日には北岸道の中部ジャワ州プマランに架かるチョマル橋(長さ120メートル)で、橋台部分が大きく陥没しているのが発見され、修復工事のため全面封鎖された。公共事業省の関係者は地元メディアに対し、23日までに応急措置の工事を終え、通行できるようにしたいと話している。
帰省ラッシュの影響で交通事故も多発する。国家警察によると、帰省中の事故は減少傾向にあるものの、12年に5233件、昨年に3675件発生した。ナフシア保健相は18日、事故に備え、スマトラやジャワ、バリの各島で合わせて1554の病院と2641の保健所(プスケスマス)で負傷者を受け入れる体制を整えたと語った。(田村隼哉)