リッポーが映画館参入 パレンバンに1号店 10年で300軒
財閥リッポーグループは17日、複合映画館(シネマコンプレックス)事業に参入すると発表した。事業を展開する同グループのシネマックス・グローバル・パシフィックは10年で6兆ルピアを投じ、85都市に300の映画館を開設、2千スクリーンとする計画だ。
第1号店は9月に南スマトラ州パレンバンのモール「パレンバン・アイコン」に開業する。リッポーグループが運営するモールに入居する複合映画館の最大手「21」を順次、シネマックスに入れ替えていくという。
シネマックスのブリアン・リアディ最高経営責任者(CEO)は17日、「国内のスクリーン数は900以下で、人口に対する普及率は低い」と指摘。映画館が少ないか、まだ無い地方に焦点を当てる。
全国各地に展開する21は計177軒、685スクリーンを運営。ジャワ島以外でもパプア州ジャヤプラやマルク州アンボン、カリマンタンなどで展開している。しばらく21の独占体制が続いたが、06年に「ブリッツメガプレックス」が参入。現在、東カリマンタン州バリックパパンやリアウ諸島州バタムなどにも展開し、全国で計11軒86スクリーンを運営する。
大手参入以前、地方都市にあった地元企業運営の映画館の多くは、21など一部の企業が映画配給を独占し、話題作の入手が困難になるなどして経営難に陥り、閉鎖に追い込まれた。大手3社が地方進出を本格化することで数年後に国内スクリーン数は2倍以上になると予想され、映画館の競争は激しさを増しそうだ。