ベンチャー目線で新発想 ビジネス探検訪問団を派遣 企業家ネットワーク
格安旅行業エイチ・アイ・エスの澤田秀雄会長ら多くの有力ベンチャービジネス企業家を創業期に紹介したことで知られる企業家ネットワーク(徳永卓三社長)が、11月にもビジネス探検訪問団をインドネシアに派遣する。経済成長が著しい現状をベンチャービジネス企業家の視点から点検し、従来型企業では限りがある新ビジネス開拓の可能性を探る狙い。現地日系企業との意見交換やインドネシア・ベンチャービジネス・フォーラム開催も呼び掛ける。
訪問団は同社が運営する親睦団体、企業家倶楽部の会員で構成する。同倶楽部にはソフト・バンクの孫正義社長、綜合警備会社セコムの創業者である飯田亮会長ら日本を代表するベンチャービジネス型有力企業の代表者をはじめ、各分野の新ビジネス開拓で頭角を現している若手経営者が集まる。
1回目は新大統領就任後の11月上旬をめどに実施する計画。有力ビジネスマンを団長に10人から20人程度で構成、一部に工場団地視察も組むほか、若者のファッション動向やミドルクラスの消費傾向、富裕層の生活実態など新ビジネス企業のヒントが得られるような視察を行う。
視察対象地域は首都ジャカルタから市民生活が分かるジャボデタベック(ジャカルタ郊外地区)を検討。日程は1週間程度とし、必要に合わせ第2次、第3次の訪問団を組む考えだ。
インドネシアは、世界銀行の発表で経済規模が世界で第10位にまで上昇してきた。また国際協力銀行の2013年の調査によると日本企業を対象にした向こう3年間の有望投資先として初めて首位の座を獲得している。
企業家ネットワークはこうしたインドネシアについて単に発展途上国の経済が安定的に拡大してきた、と見るだけでなく「既存の日系企業だと気がついていないニュー・ビジネスのチャンスがたくさんあるはず。ベンチャ―的発想のある企業家の目だと新しいインドネシアが見えてくるのではないか」と期待している。
このため、視察団は現地滞在中にジャカルタ・ジャパン・クラブの法人会員メンバーにも呼び掛け、インドネシアにおける新ビジネスの共同開発、新規事業の共同運営などをテーマに意見交換会も持ちたい考え。今回の訪問団計画は、日本経済界の先端でもインドネシアに対する関心が広がってきたことを示すものとして注目される。