モノレール、9月に最終通告か MRTの建設も遅れる
ジャカルタの大量輸送機関の建設が遅れている。ジャカルタ特別州のアホック知事代行は26日、モノレール建設で9月までにジャカルタモノレール(JM)社と事業計画の合意が得られなければ契約を破棄すると再度通告した。一方でMRTの建設も予定より2カ月遅れるなど、渋滞悪化が長期化することが危惧される。
アホック知事代行は州庁舎で記者団に「9月までに合意しなければ、契約破棄の書類をジャカルタモノレール社に送付する」と述べた。モノレール建設は昨年10月にジョコウィ知事が再開を宣言していたが、現在まで建設に着手していない。両者は事業計画の内容や補償について話し合ってきたが合意していないためだ。JM社のジョン・アルヤナンダ社長は「公式に知事代行から話を聞いていない」としている。アホック知事代行はこれまでは8月を期限にすると話していたので、1カ月延ばした。
モノレール建設で問題になっているのは▽事業補償▽州有地の利用▽運営費用―の3点。事業補償については3年以内に完成できなかった場合に、JM社は州政府に支払う補償費を建設費の0.5%と主張、州政府は5%を求めている。JM社は州有地20万平方メートルの利用を求めているが、政府は商業用途にするべきではないと反対している。運営面ではJM社は運賃を1万ルピアと提案し、1日あたりの利用客が16万人以下の場合に、州政府に補助金を求めている。
MRT建設で事業遅延の原因になっているのは南ジャカルタ・ルバックブルスのバスターミナル周辺だ。MRT駅や車庫を建設する予定だが、既存設備の解体や地中のガスの配管、電線などが障害になっているという。また、駅周辺の土地収用が一部終わっていないことも問題になっている。アホック知事代行は「住民の移転先の土地は用意してあるが、地方財政運営局の手続きが遅れている」と指摘している。(高橋佳久、写真も)