コタ・トゥアを世界遺産に 15年のリスト入り目指す 蘭統治時代の建物再生
オランダ統治時代の建造物が立ち並ぶ西ジャカルタのコタ・トゥア地区を世界遺産の暫定リストに登録しようと、州政府や実業家らが計画している。17日、再開発のために11の企業で構成されたジャカルタ・コタ・トゥア開発(PKTJ)の幹部、国連教育科学文化機関(ユネスコ)職員、州政府幹部らが世界遺産登録を目指すためのセミナーを開いた。
PKTJのリン・チェ・ウェイ最高経営責任者(CEO)は「2016年3月に申請する予定だが、可能であれば来年3月の審査に間に合わせたい」と話した。現在はロードマップなどの資料を準備している段階だという。暫定リストの提出は個人や団体にはできないため、ユネスコに申請する前に国の推薦リストに登録する必要がある。
登録を目指すのはコタ・トゥア地区の342ヘクタール。リンCEOはパジャジャラン王国やポルトガル、オランダ東インド会社、日本統治時代を含めた歴史を伝える85の建造物の改修が重要になるという。「オランダ統治時代の都市で他にも世界遺産に認定されている都市があるが、コタ・トゥアはその中でも最も面積が広く古い」と話している。
しかし、ユネスコに認定されるには課題が多い。世界遺産に認定されるには諸条件を満たし、保護管理体制も整っている必要がある。85の計画のうち、終了しているのはファタヒラ郵便局の美術館への改修のみ。周辺は渋滞が悪化し、美術館の来館者は「渋滞がひどく、また行きたいとはとても思わない」との声が多い。
ユネスコへの推薦リストで、インドネシアには現在26の候補がある。12年にはバリの伝統的水利制度「スバック」が活きている棚田地域が文化遺産として登録され、ボロブドゥール寺院遺跡群など計八つが世界遺産に認定されている。