児童虐待が倍増 1月〜4月に622件 子ども保護委
国家子ども保護委員会(KPAI)は16日、中央ジャカルタ・メンテンの本部で会見し、1〜4月に報告を受けた児童虐待事件が昨年同時期の約2倍の622件だったと発表した。調査は被害者や保護者からの通報のみを集計しており、KPAIは報告数以上の虐待事件があるとの見解を示している。
622件の内訳で最多は性的虐待が459件(74%)、身体的虐待94件(15%)、心理的虐待12件(2%)。現在のペースで増加すると、年間2千件を超す可能性があるという。KPAIのスサント役員は虐待事件が年々増加傾向にあり、特に性的暴行被害が多発していると指摘した。
また、人身売買の報告は4月までに76件。昨年は一年間で184件で、虐待と同様に増加傾向にあるという。
南ジャカルタのポンドックインダ病院に勤めるロスリナ・ブラウリ医師(児童家庭心理学)は、増加する虐待の原因を「親が子育ての仕方を知らず、暴力行為でしつけをしようとする人が多い」と分析。しつけとの境界を判別するのが難しいため、近隣住民が虐待に気付いても、通報をためらうことがあるという。
年間の虐待事件数は2011年が261件、12年426件、13年1615件。
現行の児童保護法は虐待の場合、有罪でも2〜3年で出所することが多く、犯罪の抑止効果が低いとして、KPAIは法改正を政府に訴えている。