州がモスク閉鎖 建造物登録理由に 異端派アフマディアの拠点 東ジャカルタ
ジャカルタ特別州建設物整備監視局(P2B)はこのほど、建造物がモスクとして登録されていないことを理由に、東ジャカルタのドゥレン・サウィットにあるイスラム異端派とされるアフマディアのアト・タクワ・モスクを閉鎖した。
これまで同モスクには、金曜礼拝などを狙い、強硬派団体のイスラム擁護戦線(FPI)が抗議活動を展開していた。
これに対し、アフマディアの東ジャカルタ支部代表のアル・ユディ・ムハマド・シャディク氏は「二十一年間、問題視されたことはなかった」と反発。今年五月、ジャカルタ特別州は急きょ登録を要請。同月中に申請したが、手続きは進まず、今月十七日、突然閉鎖を勧告されたという。
同モスクでは、東ジャカルタのドゥレン・サウィット、クラマットジャティなどの信者約三百人が礼拝していた。信者らは現在、中央ジャカルタにある別のモスクで礼拝を行っているという。ユディ代表は「礼拝はすべての人に保障された権利のはずだ」と訴える。
アフマディア信者三人が虐殺された今年二月のバンテン州チクシック事件を契機に、西ジャワ州デポック市やブカシ市はアフマディアの宗教活動を禁止する条例を施行。ジャカルタ特別州も同様の措置を計画していたが、二〇〇八年の合同大臣令のみで対応するとして中止していた。
近所に住む男性(六四)は「近所に暮らすアフマディア信者を異端派として差別しないが、多数派のイスラム団体やムスリム、イスラム強硬派団体の目がある。仲良くしていると思われるとやっかいだ」と話した。