日本企業の誘致に本腰 東京に事務所開設 展示会大手ラディアタマ

 インドネシアの見本市、展示会業界の大手ラディアタマ社(本社ジャカルタ)は、同社が主催する各種展示会や産業イベントへ日本企業を誘致するため、東京に連絡事務所を開設した。
 同国は経済発展に伴い様々な分野で外国の機械や設備、技術などの導入を検討する動きが広がり、世界最先端を行く日本製品や技術への関心が強い。こうした官民の動きを踏まえ、第一弾として今年10月に開催する「インドネシア国際水産・加工・機器展」への日本企業参加を日本で直接働き掛けることにした。
 同社はインドネシアでモーターショーなどを手掛ける最有力イベント会社ディアンドラグループの一員。2008年には両国政府の後押しを受けて開かれた日本インドネシア国交樹立50周年友好博覧会を手掛け、入場者数18万人をもたらした実績がある。 
 日本連絡事務所は東京・千代田区に開設した。ジャカルタに10年以上の勤務経験のあるビジネスマンやイベントビジネス経験者など同国に詳しい日本人スタッフに委託し、日本企業のインドネシアの各種展示会への参加を誘致、サポートする体制を構築する。
 10月下旬に予定している水産の国際展示会は国内初のイベントで、バリ島の観光地ヌサドゥアで開く。総展示面積は約2500平方メートルで、150から200の区画を用意し、日本企業参加を誘致する。最少区画は約9平方メートルで、出展料金は1平方メートル当たり300ドルから。
 展示対象品目は漁網や漁船から冷蔵倉庫、製氷、乾燥機器など水産に関する技術全般。また、同国産の魚類や干物、海草など各種海産物も展示し、外国人バイヤーの誘致にも力を入れる。
 インドネシアは世界最大の島しょ国。広大な海域から世界第3位の漁獲量を誇る。しかし、捕獲後の鮮度維持から冷凍、加工、輸送などの水準が低いため国内市場の水産品の品質は十分でなく、輸出市場でも低品質に分類されるものが少なくない。
 国民所得の高まりを背景に、水産業界で漁獲から加工まで現状改善を目指す動きが広がっている。鮮度の高い加工品を求める内外消費者の動きに対応するため、外国の機械、技術導入の必要性が叫ばれている。
 インドネシア展示協会副会長でもあるエルンス・レンボエン社長は「世界の最先端を行く日本の水産物加工技術はインドネシアがぜひとも導入したいものばかりだ」と強調している。

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