首都圏で弾薬発見相次ぐ 2カ所で340発、迫撃砲弾も 行き止まりの空き地に誰が
首都圏の住宅地やごみ捨て場で今月に入り、相次いで大量の銃弾などの武器が見つかっている。ジャカルタと西ジャワ州デポックでは弾薬計344発が、同州ブカシでは迫撃砲弾も見つかった。誰が何の目的で放置したのかは謎のままだが、犯罪に直結する事態。武器の管理体制を問題視する声が高まりそうだ。
中央ジャカルタ区カレット・テンシンに住むザイナル・アビディンさん(37)は自宅横の空き地でパパイヤの木の世話をしていた8日午前10時過ぎ、地面にある黒いビニール袋からこぼれ落ちている銃弾数発に気付いた。中には九つの箱があり、計185発の弾薬が入っていた。
知らせを受けたタナアバン署が調べたところ、国軍や警察が使う自動小銃などで撃つ5.56ミリのゴム弾100発と同種の空砲80発、機関銃用の7.7ミリ弾5発と分かった。ザイナルさんによると、ほとんど新品に近い状態に見えたという。
この空き地は家屋に囲まれた5メートル四方ほどのスペースで、通り抜けできない。交通量の多いマス・マンシュール通りに面しているとはいえ、住宅が密集する路地裏を通らなければならず、普段は住民の出入りしかない。不審な人物や物音に気付いた人はいないといい、周辺住民は「誰が何の目的で置いたのか」と首を傾げる。
■ブカシ、デポックでも
同じ日の午後9時ごろ、西ジャワ州ブカシ市バンタルグバンのスムル・バトゥ最終処分場(TPA)では、廃品回収業者が使用可能な状態の迫撃砲弾を見つけ、警察署に届け出た。前日7日の早朝には、同州デポック市スクマジャヤの女性がごみ捨て場で不審な袋を発見。中には安全ピンの付いた状態の手榴弾と5.56ミリ銃弾159発、軍用ヘルメットが入っていた。
昨年6月下旬には、同州スバン県からボゴール県の鉱山に向かっていたトラックから、ダイナマイト250本が行方不明となり、発送元や運送会社のずさんな管理に批判が集まった。警察は何者かが持ち去った可能性が高いと分析。テロなどに使われる恐れもあるとして捜索しているが、まだ発見されていない。(道下健弘、写真も)