経常収支の赤字に警告 2QのGDP3%を超過か 中銀
中銀が経常収支の赤字悪化に警告を発している。今後数カ月に予測される貿易赤字の増加は、経常収支のさらなる悪化を招くとしており、ルピアにとっても逆風になると懸念を示している。英字紙ジャカルタポストが報じた。
中銀のミルザ副総裁は経常収支における赤字が、第2四半期の国内総生産(GDP)の3%を超えると予測。経常収支の赤字は国際貿易を分析するうえで最も基本的な指標であり、インドネシアに対する投資家の間で主要な関心事となっている。
この数字は第1四半期のGDP2%よりも高く、中銀が見積もったGDP0.2%から2.5%という安全圏から外れることになる。
ミルザ副総裁は5日、「4月の高い貿易赤字を考慮すると、第2四半期と第3四半期の経常赤字の改善を維持していくことは、これからも課題となる」と述べている。
インドネシアは4月、予期していなかった19億ドルの貿易赤字を公表しているが、これはほとんどのアナリストの推定を上回るものだった。
予想を大きく上回る貿易赤字は、エコノミストたちに大幅な予測の見直しを促すことになり、当初の推定GDP2.8%から3.7%と大幅に引き上げられた。
経常収支は国の経済状態の安定度を示す基準となるが、インドネシアでは昨年、第2四半期の経常収支の赤字が98億ドルという記録的な数字となった。GDPの4.4%にあたるというニュースが流れ、投資家が競ってルピア資産を売却するという騒動が見られた。
経常収支の悪化はまた、ルピアに対する懸念材料にもなるが、ミルザ副総裁はルピアの将来的な弱点にはあまり関心を示しておらず、「1ドル当たり1万1400ルピアから1万1800ルピアというレートは、すでに割安感があった」と発言している。