追い上げか、変わらずか 世論調査、結果別れる
大統領選挙期間に入り研究所、政治コンサルが世論調査を発表し始めた。調査は二つのストーリーを語る。▽プラボウォ氏が追い上げている▽ジョコウィ氏がリードを保つ。調査、テレビ、ソーシャルメディアを利用し、情勢を有利にしようという闘いが実相のようだ。
SSSGの調査はジョコウィ氏のリードが顕著だ。スピン研究所の調査は両者の拮抗(きっこう)を伝える。ポプリの調査はジョコウィ氏の10ポイントリードを伝え、その中間だ。総選挙前の3月7〜17日に実施されたCSISの調査の「一騎打ち想定」では、ジョコウィ氏が26ポイントリードしていたころに比べると差は詰まっているようだ。
ただし、調査機関ごとに調査の手段、設問の仕方、対象の選定、信条に違いがあり、そのまま比較するのが難しい。どこも公正さをうたっているが、地元メディアの扱い、報じ方に大きな差が出ており、結果の数字は有利な世論づくりの一環との指摘もある。調査結果が重要なのは「流行している」「人気がある」を理由に、有権者が意志を決めることがあると言われるからだ。流行しているものに乗りたい、勝ち馬に乗りたい気持ちが人にはあるという。どの調査にも無回答者がおり、浮動票の動向が勝敗を分けそうだ。
■日曜討論会は5回
9日から両陣営による討論会が開かれ、その後の毎週日曜日、計5回討論会が開かれる。9日の討論会は「民主主義の確立、清潔な法の支配に基づく政府」がテーマで両大統領、副大統領候補が出席する。民放テレビ局が放映し、有権者が最初の投票意志を決める材料になりそうだ。
インドネシア人が好むソーシャルメディアではプラボウォ組の発信力が勝っているとみられる。プラボウォ陣営は特別チームを作り、ソーシャルメディアでの広報展開や自身に不利な話題を監視しているという。(吉田拓史)