「ぺてん師が多い」 不正2万7000件 KJP受給調査 アホック氏
ジャカルタ特別州のアホック知事代行は、教育カード(KJP)の受給状況の調査と再募集を開始し、2日までに2万7千件の不正受給を確認した。不正受給者を排除するとともに低所得世帯向け補助を強化する方針。地元紙が報じた。
知事代行は再募集について「恥知らずのぺてん師が多くいたため」と説明。これまでに十分な収入があるにもかかわらず、給付金を不正に受け取っていた例が相次ぎ発覚。受給資格者に給付金が行き渡っていないとの指摘もあった。
ラスロ・マルブン同州教育局長によると、すでに州内全ての学校に調査を通知しており、4日までに結果をまとめる予定だ。
再募集にあたってKJP希望者は2日までに申請書類と低所得者認定証(SKTM)を窓口に提出し、学校側は教育局に受給資格者名簿を提出した。教育局の担当者は新たにSKTMを取得する必要はないとしていたが、学校側はSKTMを再取得するよう指示したため、受給を希望する保護者が発行窓口に殺到するなどの混乱がみられた。
同州はKJP事業でカード保有者1人当たり月27万ルピアの経費を補助している。受給者には通学費や制服などの購入費として高校生で月24万ルピア、中学生で同21万ルピア、小学生で同18万ルピアが直接支払われる。
2013年は68万9千人が受給し、7780億ルピアを支出した。14年予算では61万9千人の受給を見込み、8320億ルピアを確保している。
知事代行は、州内に住む16〜18歳のうち60%が経済的理由で高校への進学や通学を断念しているとして、来年から総額3兆ルピアの予算で1人当たりの経費補助を月60万〜80万ルピアに増額する考えだ。
KJP事業はジョコウィ州政の目玉政策の一つだったが、不正受給のほか、職員による給付金の中抜きや申請手数料の不当請求が横行。受給世帯が給付金をたばこやタブレット型端末の購入など、教育と関係のない用途に支出している問題などが指摘されている。
(田村隼哉)