【日イの笑顔と興奮ブロックMを包む】 同僚と力走、絆強まる 本紙記者も参加
ブロックMを走る。しかも駅伝形式で。日本とインドネシアの友好の絆をたすきに託してつないでいく初めてのイベント。「一緒に走ろう」と同僚の誘いに気軽に応じたが、200組ほどのチームが参加すると後で知った。晴れ渡った日曜の朝。「どうせ走るなら勝ちたい」。たすきを手に猛ダッシュした。
朝6時前にはブロックM入りし、着替えと準備体操を済ませて7時のスタートを待つ。スタッフから渡されたたすきはこの日のためだけに作られたとは思えないほど豪華なもの。第1走者の記者はこのたすきを4人でつないでいくのだと気を引き締めた。
ブロックMに降り注ぐ日差しが少しずつ強くなってくる。気候も雰囲気も日本とは違う。スタート地点は走者たちでごったがえし始めた。中央にJKT48のナビラさんの姿が見える。それぞれ先頭を切ろうといきり立つなか、和太鼓の音でスタート、一斉に飛び出した。
スタートダッシュをかけ、先頭陣の一角に食い込む。気がつくと20〜30人のなかを走っていた。何度も歩いたことがあるブロックM周辺の道。少し余裕が出てきたころ沿道を見回すと、日の丸とメラプティ(紅白のインドネシア国旗)を振る人々が並んでいる。「がんばれ!」、「スマンガット!」。人に応援されながら走るなんていつ以来だろうか。両国の声援を聞きながら走り続けた。
たかが2.5キロ。されどジャカルタでの2.5キロ。走るには厳しい気候と熱を帯びた堅いコンクリート。じりじりと体力が奪われていく。国家警察や最高検察庁、バスターミナルの横を走り抜け、出発点に戻ってきた。なんとか第2走者にたすきを渡せたが、約200人の中から同僚を探すのは一苦労した。その後、日本人からインドネシア人の同僚にたすきが渡るシーンを見ていると胸にこみ上げるものがあった。
日イの「絆」をテーマにした今回の駅伝。チームで日本とインドネシアをつなぐたすきを手渡していき、最終走者がゴールした後は手をとって喜び合った。他のチームも皆で健闘をたたえ合っている。インドネシア人の同僚との距離が確実に近づいた瞬間だった。
身近なところから絆を強めることができる。明日から同僚とインドネシア語で会話し、体力増強のための早朝ランニングを始めようと誓い、絆駅伝を終えた。(藤本迅)