「スタディウム」閉鎖 大衆ディスコ、麻薬の巣窟に 警察官死亡で州が強硬措置 西ジャカルタ

 首都有数の規模のディスコ「スタディウム」で16日、警察官が麻薬の過剰摂取で死亡した事件を受け、ジャカルタ特別州観光文化局は21日、同ディスコの営業許可をはく奪し、正式に閉鎖したと明らかにした。アホック副知事は警察と連携し、州内にある34店のディスコの監視を強化する構えだ。
 スタディウムは歓楽街として知られる西ジャカルタ・マンガブサールの一角にあり、ジャカルタでも有名な大衆向けディスコ。地元市民だけでなく、日本など海外からの赴任者や観光客などでにぎわう。ディスコやカラオケ、個室などが5階を占め、隣にホテルもある。
 16日、同店で22歳の男性警察官が合成麻薬「エクスタシー」などを過剰摂取して死亡する事件が発生。警視庁は立ち入り検査で計4800錠の合成麻薬などを押収した。警察官の死者が出たことをアホック副知事が重視、娯楽施設や飲食店の営業を規制する観光文化局に閉鎖を命じた。同副知事は「スタディウム側とは以前、今後麻薬売買が発覚したら即閉鎖すると警告していた」と説明した。
 同店の入場料は平日が5万ルピア、週末は10万ルピア。午後11時〜翌午前5時には100人ほどの女性が接客する。従業員らに声を掛ければ容易に麻薬を購入できるため、麻薬の巣窟として知られる。2012年には29歳の女性が同店で麻薬を使用した後、車を運転して帰宅途中、通行人13人をはね、うち9人を死亡させる暴走事故が起きた。
 21日午後、ディスコの正面入り口には非常線が張られ、立ち入り禁止になっていた。これまでにもラマダン(断食月)中の営業規制を無視したり、殺傷事件が起きたりして一時閉鎖されたことはあるが、いずれも経営者が州政府と協議し、数週間後には営業を再開していた。
 18年間、同店で働く従業員のヨヨさん(65)は「今回の閉鎖措置がいつまで続くか分からない」と話す。「日本人ら外国人も多く繁盛していた。閉鎖したら仕事がなくなる」と閉鎖解除を訴えた。(山本康行、写真も)

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