ジョコウィVSプラボウォ 2強の一騎打ち 国民人気か大連合か
大統領選はジョコウィ氏(闘争民主党=PDIP)とプラボウォ氏(グリンドラ党)の一騎打ちになった。国民的人気のジョコウィ氏を、プラボウォ氏の5党大連合が追いかける。6月4日から1カ月の選挙運動期間を経て、7月9日の投票が5年の政治を決める。
ジョコウィ陣営は大方の見方通りカラ前副大統領を副大統領候補に据えた。南スラウェシ州マカッサルの大物実業家カラ氏は東部地域からの信望が厚く、人口の4割を占めるジャワ人のジョコウィ氏と民族の要素を補い合う。ゴルカル党員であるカラ氏が党を割るのは、ユドヨノ氏と組んだ2004年大統領選と同じ展開。東部はゴルカル党の票田で、一部はジョコウィ氏側に割れるとの観測がある。
ジョコウィ氏はソロ市長、ジャカルタ特別州知事時代とも副市長・副知事には直言実行型を置いている。テレビ局のインタビューに対し「カラ氏は決断が早く仕事が早い」と話し、同じタイプを選んだと強調した。政治コンサル「SMRC」の調査(先月20〜24日実施)ではジョコウィ―カラ46.1%、プラボウォ―ハッタ28.5%と優勢を保っている。
これに対し、プラボウォ陣営は民放テレビ5局を確保。3局を持つ実業家ハリー氏、2局を持つバクリー・ゴルカル党首が陣営に入った。これに対し、ジョコウィ陣営はニュース専門の1局のみ。各種調査では国民が主にテレビで政治に関する情報を得ている。選挙戦でテレビの影響力が注目される。また、プラボウォ氏の5党連合は、スハルト時代復古を唱えるゴルカル党から、イスラム保守の福祉正義党(PKS)まで主義主張が異なるため、陣営がどのような政策を掲げるのかにも注目が集まる。1党だけ残された民主党。幹部周辺の汚職疑惑がきらわれ連合交渉は難航している。(吉田拓史)