ジョコウィ氏休職で  6月1日から開始 アホック氏が知事代行

 大統領選挙に集中するため、ジョコウィ・ジャカルタ特別州知事が31日から知事職を休職する。それに伴い、アホック副知事が6月1日から知事職を代行することが決定した。行政改革を推進するアホック氏が首都運営のかじを取る。
 闘争民主党(PDIP)の大統領候補のジョコウィ知事とアホック副知事は14日、ガマワン内相と面会し、ジョコウィ氏の知事職の休職許可とアホック氏の代行の承認を取得した。ジョコウィ氏は13日にユドヨノ大統領と会い休職許可を得た。最大で大統領に正式就任する10月下旬まで休職する可能性がある。
 総選挙委員会(KPU)による各政党の正副大統領両候補者の承認が31日(土)になる予定で、ジョコウィ氏は31日までは知事職を務める。翌週の6月1日(日)からジョコウィ氏が正式に休職し、アホック氏が知事職を代行することになる。
 アホック氏は「ジョコウ
ィ氏が決定したこれまでの政策の方針は変えない」と強調した。
 知事職代行には原則として知事と同等の職務権限が与えられる。自治体の行政活動を停止させないことが主な目的で、議会の解散権や公務員の人事権などは認められていない。アホック氏はジョコウィ氏などと連携して政策を執行するとした。
 ただしアホック氏が知事代行に就任することで、建設が難航するジャカルタのモノレール計画に影響がありそうだ。同氏は14日、建設許可の剥奪も辞さない姿勢を示しており、「土地収用が進まず計画が順調に進む可能性が低い。事業者が想定する1日の乗客者数も減少するばかりで利益が感じられない」と不満を募らせている。
 先月9日のジャカルタ特別州議会選挙(2014〜19年)の選挙結果がこのほど発表され、全議席数(106議席)のうち、ジョコウィ氏の所属するPDIP(25議席)とアホック氏所属のグリンドラ党(18議席)で26議席増の計43議席を獲得した。両党で約40%の議席を確保したことも同氏に追い風だ。
 地方自治法では地方首長が正副大統領に立候補する場合は辞任する必要は無い。ジョコウィ氏が大統領に正式就任した場合、残りの任期は州議会の承認を経てアホック氏が知事に昇格する。知事に昇格した場合、アホック氏は所属政党のグリンドラ党ではなく、PDIPが副知事候補を決定すべきとの見解を示している。(小塩航大)

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