結果よりも過程が大事 大学3年生のニンダさん優勝 日本語弁論首都圏大会

 第43回日本語弁論大会大学生・一般の部ジャポデタベック地区予選が10日、国際交流基金ジャカルタ日本文化センターで開かれた。参加者は15人。優勝したのはアル・アズハル大学3年生のニンダ・ムルティ・サリさん。「結果より経過」の題目で演説し、優勝を勝ち取った。(藤本迅、写真も)

 ニンダさんは現在アル・アズハル大学3年生、日本語学科で学んでいる。大学進学時には薬剤師に興味があり、理系への進学を考えていた。しかし、物理の成績がふるわず当初の目標とは違う現在の大学に進学した。始めは希望とは違う勉強をしなければならない事に、落ち込んでいたという。しかし、授業で日本語を勉強するうちに、その面白さに魅せられていった。
 ニンダさんのテーマは「結果よりも過程が大事である」。「大事な事は、結果ではなくて、そこに至るまでの過程。努力した自分を受け入れ、与えられた場所で頑張る事こそが一番大事な事だ」と話した。自身の経験をもとにした演説は構成もよく練られ、集まった聴衆もうなずいて聞き入っていた。ニンダさんは将来は日本語の通訳者になることが夢だという。
 2位はスマホに頼りすぎる若者に疑問を投げかけた内容の、「スマホ」で演説したダルマプルサダ大学のステファニさん。3位には「恐怖感から学べること」と題し、2011年の日本の東日本大震災の経験からも学べる事があるはず、と訴えた社会人のインタンさんが入賞した。
 審査では発表内容のほか、日本語の発音やイントネーション、文法、発表態度をそれぞれ点数化して評価。声のトーンや強弱、視線、手の使い方などを工夫し、聴衆に訴えかけるスピーチが高評価を得た。審査委員長をつとめたジャカルタ日本人学校(JJS)斎藤稔校長は、「テーマが自分自身の経験に基づいたものが多くてとてもよかった。起承転結という日本の話し方をもっと取り入れられたら、よりよいものになるのではないか」と感想を述べた。
 入賞者3人は6月7日にジャカルタで行われる全国大会に出場する。日本語弁論大会は今回で43回目。インドネシアでの日本語教育推奨の目的で、国際交流基金と元留学生協会(プルサダ)が共催で行っている。

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