イが世界10位に躍進 世銀調査、購買力平価で
世界銀行・国際比較プログラム(ICP)がこのほど発表した2011年時点の購買力平価換算の国内総生産(GDP)の報告書で、インドネシアが世界で第10位に入った。世銀が区分する「12大経済国」に中国、インドなど中所得国が6カ国入り、これらの国の合計GDPは世界累計の3分の1を占めるなど、新興国の台頭が目立った。上位国のうち、前回05年調査からの伸び率はインドネシアが最も高進した結果となったが、汚職体質や外資規制など、今後の成長に向け、課題が指摘されている。
調査では前回より53カ国多い199カ国・地域が対象。トップは米国で世界累計GDPの17.1%を占め、中国(14.9%)、インド(6.4%)、日本(4.8%)と続いた。インドネシアは2.3%。インドネシアを含めた中所得国6カ国の対世界累計GDPは32.3%に上った。購買力平価は、為替レートで換算するよりも実際にモノを買う力で比べるため、その国の実勢のGDPを反映できるとされる。基準為替レートに対する購買力平価の比率で示す物価指数(PLI)では、100を平均値とした場合にインドネシアは53だった。
基準とされる米国GDPに対する比率でみると、インドネシアは05年調査で5.7%だったのが今回は13.2%に躍進し、12大経済国のうち最も高い伸び率を示した。世界全体の投資支出における国別比率でも中国(27%)、米国(13%)、インド(7%)、日本(4%)に次ぐ5位の3%だった。
ユドヨノ大統領は3日、調査結果を受け「われわれの努力の成果」と歓迎。一方で「まだ解決すべき問題は数多くある」とインフラ整備など経済成長に欠かせない課題を挙げた。
民間銀最大手バンク・セントラル・アジア(BCA)のディビッド・チーフエコノミストは「20年にはインドネシアが7〜5位まで上昇する可能性がある」と予測した。そのためには、外資緩和や補助金燃料の削減、政治の汚職体質の改革などが今後数年の課題になるとした。
報告書では中国が対米GDPで05年の43.1%から87%まで上昇するなど、年内にも米国を抜き、世界最大の経済大国になる見通しも示された。(高橋佳久)