2カ月連続で大幅黒字に 3月の貿易収支 商品作物や製造業が貢献

 中央統計局(BPS)が2日発表した3月の貿易収支は、6億7320万ドルの黒字となった。2月の8億4340万ドルと合わせ、2カ月続いて貿易収支が黒字になった。過去2年続いた赤字からの改善が鮮明になり、為替の安定など他国の投資を呼び込む好材料になろう。
 輸出額は前年同月比1.24%増の152億1150万ドル、輸入額は同2.34%減の145億3830万ドルだった。非石油ガス部門が前月比5.59%増の125億7千万ドルと輸出を押し上げた。パーム油やココアなど商品作物の価格上昇や製造業関連が好調だった。マンディリ銀のディストリ経済部長は、第3の貿易相手国である米国の景気の回復を受け、製造業の輸出が好調に推移したためと見ている。第1四半期の貿易収支も10億7200万ドルの黒字だった。
 向こう数カ月はパーム油やゴム、ココアの価格の上昇が見込まれているため、今後も非石油ガス部門の輸出拡大が予想されている。資本財や原料の輸入が前年同期比で6.46%減少。中間財も5.8%値下がりするなど輸入品目の価格が下がっており、貿易収支には明るい兆しが見えている。
 石油ガス部門の3月の輸入額は増加しているが、第1四半期では減少傾向が続いており、エネルギー鉱物資源省のサレー報道官は「石油からバイオ燃料への移行の影響がみられる」と予測している。一方でインドネシアは石油関連産業が多いことが不安要素になるとして、産業構造の転換が必要との声もある。
 中銀は13年の第2四半期に対GDP比4.4%だった経常赤字を第1四半期で2%まで減少できるとしており、ルトフィ商業相も「自動車分野での投資が見込まれており、輸出増が今後も期待できる」と楽観視している。(佐藤拓也)

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