外国投資額、伸び率鈍る 選挙の年、手控えか底堅いか 見方分かれる

 投資調整庁(BKPM)が24日、発表した2014年第1四半期の外国直接投資額(FDI)は約62億ドル(約72兆ルピア)で前年同期比9.8%増にとどまった。13年第4四半期の25.4%増、13年第1四半期の27.2%増に比べても鈍化傾向が目立つ。総選挙があり不透明な政策動向のもと投資を控えているとの見方が多いなか、今回の数字は底堅いとの意見もある。
 バンク・インターナショナル・インドネシアのジュニマンアナリストによると、「第1四半期は選挙結果が出ておらず投資家の様子見が続いた」と述べた。政府はネガティブリストを改定し、外資出資制限の緩和方針を表明。空港、港湾運営権や通信業、製薬業まで外資企業による投資範囲を広げることを検討しているが、その計画が進んでいない。大統領選挙を控え、ユドヨノ大統領はリストの改定に対し二の足を踏んでいる。7月に大統領選を控えるなか、まだ不透明感が拭えないのが実情だ。
 今回の数値については、むしろ底堅いとの意見もある。日本貿易振興機構(ジェトロ)ジャカルタ事務所の富吉賢一所長は投資額の伸び率の鈍化について「今回の数値はむしろ健闘している。過去選挙が行われた年の外国直接投資額は低水準で伸び率がマイナスのこともあった」と指摘。「プラスを維持していることに驚いている。以前よりインドネシアの政治がリスクとして取られていない。政治不安より経済成長が勝った証拠だ」と述べた。引き続きインドネシアが投資対象国として魅力があることも強調した。
 FDIに比べ国内投資額(DDI)の伸びは高水準を維持している。14年第1四半期は約31億ドル(約34.6兆ルピア)で25.9%増加している。富吉所長は、「今年に入っても日本企業が投資を控えるといった話は聞いていない。ただ、選挙の影響がでるとしたら第2四半期以降だろう」と、今後の動向に注意を喚起した。(佐藤拓也)

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