【ジャカルタ・フォーカス】毎月送金、使途報告も 教育カード改革案 アホック副知事、不正防止へ
ジャカルタ特別州のアホック副知事は10日、貧困層向け教育支援政策の教育カード(KJP)の改革案を明らかにした。不正流用を防ぐため、受給者の評価表を作成し、給付金の使途報告を義務づけるほか、送金を毎月にするなどして監視を強化する。
改革案では、▽不正受給を防ぐ目的で受給者の評価表を作成▽受給者に対し給付金の使途の報告書提出を義務づける▽受給者の銀行口座の監視強化、振込間隔を3〜6カ月から1カ月に変更する▽学校長や教育機関への監視強化―などを検討する。
教育カードの配布開始以降、教育局職員が給付金を着服したり、高校職員が受給候補者に対し学校推薦の取得手数料として金銭を不正徴収したりといった事例が発覚した。最近では政党関係者が受給者選定に関与したとの報告もあった。
これに対し、アホック氏は汚職撲滅委員会(KPK)や非政府組織(NGO)汚職監視団(ICW)に不正究明への協力を要請。また各校が受給者を公表することで透明性を確保し、本当に支援を必要とする児童・生徒の手に資金が届くようになると強調した。
給付金の使用対象は、制服や学用品の購入、交通費、食費に限定されている。KJPの13年予算は7780億ルピア。今年は1.5兆ルピアに倍増し61万人に給付する計画だが、同制度の周知不足や受給者審査の不備などの課題が山積している。
受給者審査では、低所得者認定証(SKTM)、住民登録証(KTP)のコピーなどを提出するのみで、中央統計局(BPS)の貧困者統計の活用や、州政府が受給対象者を選定すべきだとの意見もある。(小塩航大)