労働者保護強まる 外国人の能力認定も 15年AEC向け
2015年の東南アジア諸国連合(ASEAN)経済共同体(AEC)に向け、インドネシアで国内労働者の保護を求める声が高まっている。経済改革センターのヘンドリ・サパリニ所長はAEC発足で外国人労働者が流入し国内雇用が減少すると分析した。
AECでは15年から段階的に農業、自動車、電子分野など計12分野で市場統合し、自由化を促す計画だ。人材、投資サービスの制限が緩和され、人や金の流れが自由になる。競争力が弱い国内労働者は雇用機会を奪われ、失業率が上昇すると懸念する。
サパリニ所長は政府に「ASEAN諸国の対応策や能力認定制度を参考する必要がある。広範囲の分野で保護策を準備するべきだ」と提言している。
労働移住省は国内労働者の雇用増に向け、外国人労働者の業種規制を強化している。13年の外国人労働者数は6万8957人で、商業・サービス分野で3万6913人、工業分野で2万4029人。11年の7万7307人をピークに減少しているが、ムハイミンル労働移住相は「外国人労働者は技術や知識をインドネシアへ伝える役目がある。国内労働者に利益還元しない外国人労働者の存在は認めない」と強気の姿勢を示した。
13年8月時点の失業者数は739万人で、失業率は同年2月比0・3%増の6・2%だった。