誘拐の女児、無事保護　妊娠取り繕う　バンドンで逮捕の女

　西ジャワ州バンドン市のハサン・サディキン病院で生後間もない女児が誘拐された事件で、州警は２９日、同市パシル・カリキの民家で女児を保護し、現場にいた女を逮捕したと発表した。女児は２８日夜に発見、保護された。病院は目立った傷などはないと説明している。地元紙が報じた。
　逮捕されたデシー・アルヤニ容疑者（３２）は警察の調べに対し、うその妊娠のつじつまを合わせるために女児を誘拐したと供述した。同容疑者は昨年、現在の夫（２６）との間の子を妊娠し、すでに妊娠２カ月だとうそをついて結婚を迫った。同容疑者が太り気味で腹が出ていたため、夫はうそを信じて結婚したという。
　突然現れた女児を不審がる夫に対し、デシー容疑者は乗り合いバス（アンコット）車内で出産したと説明していたという。
　女児は２５日午後７時ごろ、両親が用を足そうと目を離したところ、姿が見えなくなった。病院の監視カメラにはジルバブ（スカーフ）をかぶり、白衣を着た不審な人物が映っており、警察が行方を追っていた。自宅を摘発した際、同容疑者は逃走し、近くの高架橋から飛び降りたが、命に別条はなかった。
　女児は３４００グラム。警察が保護し、親元に戻った２８日で生後３日を迎えたばかりだった。父親のトニー・マヌルンさんは２９日、押し掛けた記者団に囲まれ、「ファレンシアと名前を付けた。大切に育てていきたい」と話した。